私の育った環境もあなたと似ていたので、苦悩はよくわかります。私が心について研究するようになったのは、あなたのように自分で自分を成長させて精神的葛藤から抜けたいと思ったからでした。
幸せになるための種まきは「親を含む育った環境」でなされます。そこで人生をかけて超えていく心の課題が決まります。トラウマといってもいいでしょう。それを受け入れ、乗り越えていくことで自分の幸せを確立していくのです。
自分を成長させることは簡単ではないけれど、とてもやりがいがあります。だって、どんどん幸せになっていくのですから。
最初はだれでも、課題に翻弄されて痛みを体験し悩みを大きくします。けれど、それをどんなに親のせいにしても、心は救われないことに気がつきます。
それで、「もう変わりたい!自分の力で人生を切開こう。自分の心を育てよう」と本気で決意します。そのとき、ようやく意識が目覚めて自分が変わることができるのです。
あなたは、まさにそこにいます。親に対する信頼関係は、いまや自分に対する信頼関係です。その環境で育った自分を、愛することができるかどうかという問題なのです。
ものごとはすべて原因と結果からできているので、人生に新たに「幸せの原因」を作ればいいんですが、それを自分の外側に求めても、振りまわされるだけで不安がついてまわります。
だから、自分の内側に原因を作る必要があります。内側に焦点を合わせて、がまん強く行動していけば必ず成長できますよ。
あなたの場合は、「親に認められたくてかぶった理性的な仮面」をはずすこと。誤解を恐れずに書けば、悪い子になるんです。親のいうダメな子が自分の中にいると認めて、あなたがその子を引き上げてメロメロに愛してあげるのです。
ちょっとすねたり、ひがんだり、なまけたり、だらしない子がいませんか?それを「自分じゃない」とか「ないもの」と否定してきた時間を、そっと取り戻しましょう。
余分な抵抗やアツレキは避けるほうが賢明なので、親を巻き込まないようにできる限り自分を解放していきます。だから、あなたの中から、品行方正で理性的なあなたを消す必要はありません。
両方とも、あなただから。それを認めることが「環境を受け入れながら環境から自由になること」なのです。自分への愛は、いつも否定ではなく受容することで生まれてきます。
これからは、直感的にふるまってみましょう。好きなように思ったり感じたりすることを自分に許して、無邪気な自分に詩を書かせたり絵を描かせてあげたらステキだと思います。
うまくできなくていいから、やってみたいことをやってみたいようにやるのが大事。できばえなんて関係ない。そういう自由をいとしんで、そんな自分を素直にかわいいと思えばいいんです。
すると少しずつ、状況に応じた自然なあなたでいられるようになってきます。それが、人間関係を含めた新しい環境を創り出す原因になるのです。
自分をどのくらい愛せる (=信頼できる)ようになったかは、親やまわりへの気持ちの変化を見ればわかります。しだいに、あきらめやいきどおりが、喜びや感謝に変わっていくでしょう。