私たちは、意識が変われば生き方が変わります。そのことと年齢はまったく関係ありません。自分にとってのベストタイミングがようやく訪れた、と考えましょう。
必要な時間を費やし、さまざまな体験を通して痛みを味わい、「もうじゅうぶんだ」と突き動かされて人は変わっていきます。夜明け前が一番暗いように、変わる前は人生でもっとも苦しい。そのストレスが変革のエネルギーになるのです。
「何か違う」と感じて「本来の自分」を求め続ければ、必ず本来の自分に出会うきっかけをつかみますが、そのとき「自分を信じる力」があるかどうかで、チャンスをものにできるかどうかが決まります。
あなたはチャンスを引き寄せました。このカウンセリングをきっかけにして「自己嫌悪を跳ね返して自らを救う」と決意してください。それが自分を信じる力です。
今のあなたの状態は、「自分を愛したいのに愛せない」。それが、自分のしてきたことを否定する気持ちになっているようです。子どもが自分を軽蔑すると考えるのも、その気持ちの表われでしょう。
「自分を愛する」とは、「自分を認める」ことに他なりません。あるがままの様子を、素直に認めて受け入れる必要があります。そのために「発想の転換」、意識を変える作業をしてください。
もっとも重要になるのが「自分を許す」作業です。傷つくたびに、あなたはイヤというほど自分を責めてきたと思います。もう充分ですから、終わりにしましょうね。
今からは、「不本意な人生を生きてきた自分」をひたすら許すこと。生い立ちを含めて、そうなっていった理由をあなたは数限りなく抱えていたのです。しかもそれらは、もう過去の出来事です。そのすべてを抱きしめてください。
あなたが「あれはもうあれでいい」と、過去の自分と起こったことを本気で許すことができれば、「いま」に生きるあなたが生まれます。
すると、自分へのやさしさがよみがえって、これまで歩んできた人生のとらえ方が一変します。そして、だれとも比べない自分の人生を納得して生きられるようになるのです。
そのときから、あなたが味わってきた苦悩や痛みは人間としての厚みに変わって、傷をひきずって苦しむ人たちへの深い理解となるでしょう。
自分を愛せない人は、どうしても自分の人生を愛せません。そういう人たちといっしょに「自分を受け入れていくすべ」を考えてあげるのもいいのではないでしょうか。
あなたがそうした存在になれば、家族の受けとめ方も、まわりの対応も変わってきます。これが「その人の意識が、その人の人生を作り上げていく」という意味です。
意識が変われば、景色が変わります。おなじ環境や事柄が、まるで別世界のように感じられるでしょう。それからあなたは、残された貴重な時間を、何に費やすかをゆっくり選んだらいいと思います。
人生の課題は、何をするかではなく、どういう意識で生きるか。それが幸せを決めるのです。