あなたの固まった心が痛々しく感じられます。「強がって、作り笑顔でがんばってる自分」に、あなたはとても憎悪を抱いて否定していますね。そのいらだちと悲しみをぶつける場がなくて、過去に思いをさかのぼらせ、出口のない迷路にはまり込んでいるようです。
その迷路から抜けるために必要なことを2つお伝えしましょう。最初は、「過去を許せないと感じている自分」、「強がって、作り笑顔でがんばってる自分」を真剣にいたわること。認めてあげることです。
あなたは人への憎しみを訴える一方で、「こんな私では生きる資格がない」と自己否定しています。きっと頭では、復讐したいと感じる自分に「よくない」と審判を下しているのでしょう。
あなたの感じたままでいいんですよ。あなたがそう思うのは、それだけの理由があってのことだから。それだけ苦しい体験をした結果なのだから。どうあるべきかという正否の判断を、今する必要はありません。ここでは、ただあるがままの自分の気持ちを納得して受けとめることが大切です。
あなたのいきさつを一番よくわかっているあなた自身が、あなたの理解者にならずに責める側に立ったら、出口が見えなくなってしまいます。「たとえ、だれにも理解されなくたって、私は私を見捨てない。よくここまでがんばった!」って、自分を心からねぎらってあげてください。
もうひとつは、過ぎ去った出来事を、現在に引き戻そうしないこと。とき″は刻々と流れています。一瞬前のことだって、もうやり直せません。なのに、過去を許せないでいるのは、過去に未練がいっぱいという心情と変わりません。だから、ずっと苦しいんです。
過去はあなたの記憶の中にあるだけです。過去の出来事をどう思うか、かかわった人にどんな感情を持つかは、変化していいもの。もっといえば、人が成長していく過程において、自然に変わっていくものなんです。
それを「変えるもんか」と踏ん張れば、心は過去に置き去りにされてしまいます。だけど、実際のあなたは、今にしか生きられません。その結果、心が今に居場所を見つけられなくて、どう生きたらいいかわからなくなるのです。
あなたが今に生きることを拒むのは、まだ深い傷が癒されていないせいだと思いますが、「あなたの過去の傷を癒すのは、現在のあなたしかいない」ということを覚えておいてください。
過去の痛みを乗り越えようとする「意志」を発揮できるのは、今のあなただけ。まわりからサポートを得られるのは、それを発令してからです。
具体的な行動としては、今の自分が喜ぶことを必死になって探し、それを大いに楽しんですることを自分に許す。あなたが許すのは「人のしたこと」ではなく、「傷を負ったまま自分が立ち上がること」なのです。
「あの体験があったから、今の自分がいる」というのは、いい悪いに関係なく真理″です。なせなら体験が人生で、体験を積み重ねていくことが生きていくことだから。
この先の体験を新たな喜びに染めるか、それとも過去への憎しみに染めるかは、自分で選ぶことです。それがわかったときに、あなたは変わるでしょう。