あなたというサナギがいよいよ蝶になって、本当の自由を手に入れようとしているようですね。苦悩が大きくなったときほど、人は大きく飛躍するチャンスを目前にしているのです。問題から目をそらして逃げなければ、その苦しみは必ず越えられますよ。
私も「いい子」の呪縛から脱するのにどんなに苦しんだかしれません。いまだに「いい人」でいようと無理をする自分が顔をのぞかせますが、もうそれを否定しません。『また癖が出たね』って笑いながら、改めて自分に正直な行動をたずねて選択します。
それを繰り返してけば、いつか「いい人」でなければ愛されないというトラウマから解放されるでしょう。つまり、自分の扱いがうまくなることが"変わる"ということで、決して別人になることではありません。それが「ありのままの自分」を生きる根本です。
もし、あなたの心にやさしさや素直さという「光」があれば、同時に、ずるさや意固地になる「陰」も存在することを自覚してください。光も陰も持った自分を、丸ごと受け入れるのが「あるがまま」で生きる第一歩。
あなたの感受性が豊かになった分、これまでは感知しなかった自分の微細な陰を見て、不本意だと苦しんでいるように映ります。そして、陰などないように振る舞う自分を、「嘘つき」と責めているのではありませんか?
まずは、あなたの中の光と陰の両方を、いい・悪いという判断をしないで受け入れましょう。なぜなら光と陰は、あなたの意志で入れ替わり表われてくる"ひとつのエネルギー"なんですから。
あなたは「正直でまっすぐな生き方」を目指すという目標をきちんと持っています。その意志がすばらしい。「自分を救えるのは自分しかいない」というのは、自分を救うのは自分の意志しかないという意味なんですよ。
私はアドバイスすることはできても、あなたの意志を使うことはできません。あなたに自由意志があるから、あなたはいつだって自由にも楽にもなれるのです。それがうまくいかないのは、陰のほうばかり見て行動するせいだと思います。
例えば、嫌われない「〜ならない」ために行動するのはやめて、これからは掲げた意志の通り、例えば、あるがまま「〜である」ために行動しましょう。
相手に嫌われる以前に、自分に嫌われてる自分を救うのが第一優先。尊敬する先輩を失望させないように気遣うのではなく、もっと深く理解し合えるように一歩進む。陰の部分は決して悪ではありませんから、それについて自分で審判を下して責めないこと。「矛盾は矛盾のまま、戸惑う自分は戸惑うまま」を伝えたらいいんです。
もし、私の心に陰がなかったら、みなさんの気持ちを汲み取れる私はきっといないでしょう。私は、伝え方を間違えなければ、人間は必ず理解し合えると信じています。いつも間違えるのは、相手の言動を責めたり自分だけが正しいというもの言いをしたときです。
だから、あなたの心の中にある苦しみは、あなただけにしかわからないのではなく、誰の心にもある陰なのだということを知ってください。その上で、考えてばかりいないで行動に移しましょう。それによって、さらに確信と気付きが深まると思います。