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「今回は、20歳代 女性 会社員 みゆきさん からよせられた内容です。」

Vol.06  「自分を好きになれない。」

From  みゆきさん

このホームページに出会ってすごく助けていただいてます。どのエッセイにもすごく共感でき、何度も読み返し涙がとまらないこともあります。自殺まで考えていたあの頃に比べ、少しは前向きに考えられるようになったと思います。ただ、どうしても自分を好きになれません。自分を好きになれないので、周りの人にも愛情を与えられないのです。今までは人から愛されることで、かろうじて自分を好きになるような感じでした。自分に人を愛したいという欲求があふれても、自信がないため「迷惑では…」と押えてしまいます。本当は自分を愛し、人にも分け与えたいのですが、私は昔から「人に必要とされたい」と思う気持ちが強く、そのせいで自分を見失ってきたように思います。「関わる人がいないなら生きている意味がない」と思うくらい人との関わりを大切に思う半面、それを大切にできない臆病で自信のない自分に腹が立ちます。人の役に立ちたいと思っても、それどころではないのです。私は人に感謝され、必要とされることに生きる意味を感じます。周囲の人を大切にしながらも、その感情に惑わされることなく自分自身をしっかり持って生きたいと思うのです。そんな自分になるために、何か精神的なトレーニングがありますか?

 

カウンセリングメッセージ

 あなたと同じようなことを思っている人が、大勢いることでしょう。私もその一人でした。自分の価値を、他人に決めてもらおうとしている間は、その葛藤は終わりませんよ。
「自分を好きになりたい」と考えても、それができなくて苦しいとき、他人に認めてもらうことで安心しようとすることはよくあります。そのとき認めてくれる人が、自分の好きな人や尊敬する人であれば、なお安心と満足度は高まるでしょう。

 それが「必要とされたい」という感情で、それ自体が悪いわけではありません。ただ、『必要とされるかどうかを考えるまでもなく、人に尽くせるのが愛』だとしたら、この場合は自己満足が主体なので、愛とは違うということがわかりますね。人から必要とされるようになるのは、あくまでもその人が行動した結果なんです。

 見返りを期待して動けば動くほど不安がついてまわって、「まだ足りないのでは?」「これ以上は迷惑なのでは?」という思いがなくなりません。あなたは、恐らくそうして心配することに疲れて、すっかり自信をなくしてしまったのでしょうね。

 その原因は、"臆病"ではなく、「他人を傷つけたくない」と過剰に気を使うせいだと思います。これまで他人の言動によって、あなた自身がいっぱい傷ついているので、「人に同じことはしたくない」という気持ちが無意識のうちに強く働くためです。

 でも現実には、いくら気を使っても空回りするばかりで、自分に腹が立ってもどうしていいのかわからない状態なのでしょう。まずあなた自身が、傷ついて人に癒されたくて人を求めていることを、もっと心を許して認めます。その気持ちは少しも悪くないと。

 その上で、Aさんを傷つけるのは、Aさんしかいないということを認識してください。人は、自分にそのことを受け入れられない理由があるとき、勝手に傷ついて怒り出すんですね。たとえあなたがどんなに気を使っても、そのことに触れればAさんは怒ります。ようするに、他人の言動は常に自分が反応する(その意味で自分を知る)きっかけなんです。

 同様に、自分の傷を癒せるのも自分しかいません。他人ができることは慰めです。それは一過性のチャンスに過ぎませんから、そこから癒しを起こす作業はあなたの真剣さにかかっています。自分に対して「素直で正直ならそれでいい。体験に間違いはない。もう悩まなくていい」と心の底から思えたとき、癒しが生まれます。

 あなたに必要なものは、トレーニングよりも強い決意と自分への信頼です。だから、何度もあなた自身にいって聞かせてください。『自分の価値を決めるのは、自分しかいない。自分が決めたようにエネルギーは働いて、自らの尊厳を保つ』と。

 あなたは、これからは萎縮しないで無条件で自分を応援したくて、再出発するきっかけを探していたのではありませんか。そのときを決めるのは、あなた自身ですよ。それを、今からにしませんか?  

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Last Updated: 2003/04/25

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