もどる

「今回は、40歳代 女性 クリスマスローズさん フリーターからよせられた内容です。」

Vol.04  「私が今するべきことは? 」

From  クリスマスローズさん

夫と子供3人の5人家族です。夫は2年前に体調を崩し、今も投薬を受けながら仕事をしています。私が悩んでいるのは、中1の末息子のことです。学校でいたずらや友達とのトラブルが多く、何度も親子で呼び出しを受けています。内容は、学校の壁を蹴って穴を空けたり、友達の持ち物を壊したり、人の悪口を言ったりです。本人は自分を表現しきれないもどかしさを感じているようなのですが、私は「先生方に申し訳ない」という思いと「息子の気持ちを理解していない私に責任あり?」という感情が交差してどうして良いかわかりません。本来なら夫婦で話し合って解決すべきですが、夫は自分の体調を(精神面も)保つのが精一杯なので、私一人で何とかしなければならないと思っています。でも私は一人でグイグイやるのではなく、「こうしたらどうだろうね?」「あなただったらどうする?」という中で自分の考えがまとまるタイプです。自分のことは「自分で責任を持てばよい」と思えるから決断できても、特に人のことは…。私ができることってなんでしょう?それすら見つけられなくて情けないです。母親失格です。「もっと強い母だったら」「違う人の元で育っていたら」と考えてしまって、これって逃げですよね。この先仕事も探し、家族を支えていかなければならない私にアドバイスをお願いします。

 

カウンセリングメッセージ

 子供のことに真剣になればなるほど悩みを抱え込んで、あなたはきっと自分流にあれこれ試したけれど、うまくいかなくて疲れてしまったのでしょう。でも、まだひとつだけやっていないことがありますよ。それは息子さんの一番の理解者になることです。

 あえて言葉にすれば、「たとえみんながあなたを悪い子だといっても、お母さんはそうじゃないと信じる。あなたにはそうするだけの理由があると思うし、それを誰よりも理解してあげられるのは、あなたを産んだお母さんよ」という態度です。

 子供が荒れるのは怒りを溜めているからで、自分のことを誰もわかってくれないという悲しみの表われなんです。だから、めそめそ泣いている子供と心理は同じ。まずはその理由に「わかったよ」と心からの理解を示してあげることが大切です。

 ところが、大人は子供の行動に手を焼くと、すぐ正否で判断してとがめたりおどしたりします。だから、子供はますます荒れて態度を硬化させるんですね。このままだと彼の不満はトラウマになって、親にもまわりにも認められなかった自分自身を愛せないで大人になる恐れがあります。

 子供の不満の原因は"親の愛に渇望している"が最多です。父親の状況を、頭で納得しても心で受け止められなくて、もっと気にかけてほしいと求めているとも考えられます。それが無意識のうちに嫉妬になったり、暴力的な行為になっているのかもしれません。

 これに関しては、父親である夫と話し合う必要があるでしょう。夫は今回叱る役をするのではなく、「お父さんもお前くらいのときはなあ、実は…」というスタンスで語って聞かせる方が効果的です。これはあなたも同じ。

 息子さんが求めているのは無条件の愛で、自信をなくして現実から逃れたいと願う母の姿ではないことを肝に銘じてください。あなたがいやになればなるほど、子供の心は孤立していきます。あなたが自分の息子を信じないで、誰が今信じてあげるのですか。

 子供は、母親が自分を認めてくれないとか自分のことに困っていやになっていると感じれば、悲しみの裏で反抗心を募らせます。親の愛は伝わらなければ、子供にとってはないのと同じなんですね。子供だからこれでいいという感覚や上からものをいってわからせる意識ではなく、純粋で不器用な同じ人間として接するともっと心が通い合うと思います。 

 道理はそのあとです。自己形成期の息子さんは、自分は何者でどうしたいのか、どうすべきじゃないのかを学んでいる途上ですから、「親の理解=正しいという承認とは別」ということは落ち着いてきちんと伝えましょう。

 ところで、あなたは夫への不満をかかえ、それを抑制しつつ『夫だけじゃなくて子供までが、自分の思うようになってくれない』と苛立っていることに気づいていますか? その不満があなたを追い詰めているように感じます。この機会に、「苦楽をともにする伴侶とはどうあるべきか」を振り返ってみてください。

 大変なときに限ってつらいことは重なるものですが、それは『この機会に成長しなさい』というサインなんですね。"逃げるよりこだわりを捨てて前に進む"しか楽にはなれません。大事なのは、自分たちがこの先よくなるために必要な体験を今していると信じる心です。それが自己信頼として子供を立ち直らせる力になっていきます。

 どんな事態にも困らないで、恨んでもさじを投げてもいけません。『気づくべきことがあって起きている現実を、素直に受け止めよう』と腹をくくって臨むことです。 

ご相談入力コーナー

*)ご入力いただいた方の中から、ご相談内容とカウンセリングメッセージを掲載します。


| ホーム | | エッセイ | ボイス・レター | ねっとカウンセリング | みんなの広場 |
| Booksコーナー | 講演依頼 | お知らせコーナー | プロフィール |

Last Updated: 2003/03/14

copyright(c)1999-2003 Yuriko Usami's Internet office.