「人に理解してもらえないし、尊重されない、もう嫌だ。私が考えていることをちゃんと聞いて、私のことを認めてよ!」……そんな心の叫びが聞こえてくるようです。
人に怒鳴られたりたしなめられたりすると、まるで自分を否定されているように感じるもの。それで腹が立って口惜しい気持ちになるのはよくわかります。あなたはその解決法として、もっと上手な自己主張の方法を身につけたいと思ったのですね。
「人から理解されてもっと尊重される」ためには、どんな心がけが必要だと思いますか? 自己主張のテクニックではなく、その心がけを見つけることが解決への近道です。会話中、表面に表れる物事はすべて内面の表れだからです。
あなたの文面の「理不尽」「冷静」「理路整然」「正当」という言葉から、「私は正しい。間違ったことは言っていない」という気持ちがビンビン伝わってきます。私が気になったのは、自分の正しさを認めてもらいたい一心で、相手を言い負かすことに躍起になっていないかということです。
もし「相手が悪い」「相手が間違っている」という気持ちが心にあったら、変えるとラクになるのはこの部分です。たとえ、相手の発言があなたには理不尽に聞こえても、そのとき相手は「これが正しいこと」と信じているので、否定されれば不愉快になるのです。
「人が10人いれば、それぞれが信じる10通りの正しさがある」と考えましょう。その正しさは、それぞれの成長度合いや置かれた立場によって変わっていくものですが、その時点では、これが正しいと思って自己主張するのが人間なのです。
そのことを理解して、【理解とは、同意や賛成ではなく、受容して尊重すること】正しさを競い合うのはやめましょう。それよりも、「あの人の立場に立たされたら、あんなふうに思うかもネ…」と想像して、ときには笑い飛ばしちゃうくらいの余裕を持つことが大事です。与えたものが返ってくるのが人間関係、あなたから先に理解を示しましょう。
次に、「私は対等と認められてない」「自信のなさを見透かされている」という言葉ですが、これは自分が自分をそう見ていることの裏返し。つまり、胸の奥に「私には価値がないのでは…」「こんな自分じゃ愛されないのでは…」という不安があるのです。
癒すべきポイントはここですよ。この不安を打ち消したいがために、まわりの人から認めてもらおうと躍起になっていることに気づいてください。さあ、外に向いている心を内に向けて、自分の価値を認める言葉をたっぷりかけて心を安心させてあげましょう。
これから書くことは、頭ではすぐ信じられないかもしれませんが“真実”です。あなたがその言葉を信じようと決めて自分の信念にするならば、あなたの人生は必ず変わりはじめるでしょう。信念が態度を変え、口にする言葉を変え、人間関係を変え、人生を好転させるからです。その言葉とは――
『私は自己主張しなくても大丈夫! 微笑んで話を聴いてあげるだけで十分価値がある。私はこのままの自分を愛して、心を愛でいっぱいにして、愛をみんなに分けてあげる!』
これを書き留めて、日に何回も読み上げましょう。朝晩ベッドの中で唱えるのもいいですよ。自分を愛するとはこういうことなのかとわかるまで、続けてみてください。