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カウンセリングメッセージ

Vol.10 「苦手な人と仲良く付き合っていくには……」

From ミッチーさん

結婚して新居に引っ越したのですが、ずっと付き合っていかなければならない人たちと仲良くなれなくて、頭を悩ませています。一人は隣家の奥さんで、もう一人は主人の親戚です。隣の家に挨拶にいったとき、奥さんが面倒くさそうな顔をして、その後は道で会っても私を無視するような態度を取ります。また、親戚のおじさんは、家族が集まったときに私を冷たい視線で見たので、私は委縮してしまって話ができませんでした。これからずっと付き合っていかなければならない人たちなのに、苦手意識が強まるばかりで困っています。主人は私の考え過ぎと言いますが、憂うつでたまりません。何かいい方法があったら教えてください。

 あなたが一生懸命なことはよくわかります。「結婚したらああしよう」「妻になったらこうしよう」と思っていたことがままならなくて焦っているのでしょう。でもこれは、自分の思い込みとしての“仲良く付き合うイメージ”を見直すいい機会かもしれませんよ。

 ちょっとリラックスして頭を緩めましょう。あなたはまだ若くて先が長いのだから、今からストレスに押されて息切れしてしまわないように“大人の付き合い方”も覚えておくほうがいいと思います。

 それにはまずあなたが、苦手と感じた人にネガティブな感情を持たないことが大事です。もっと気楽に話せるようにならなくては……とあせる必要もありません。「私が苦手だ、イヤだと思ったのは、愛想よくしてくれなかったことが悲しかったからなんだな」と思い直して、一度心をリセットしましょう。

 心をいったん白紙にするのは、「私は嫌われてる?」「何か気に障ることをしたかしら?」と気をもむこと自体が取り越し苦労かもしれないからです。もしかしたらその人は、人付き合いがおっくうでサバサバした関係を望んでいるのかもしれないし、たまたま虫の居所が悪かっただけかもしれないからです。

 つまり、世の中は十人十色。身近に十人の人がいれば、十通りの付き合い方があるということを理解してほしいのです。あなたの頭にある“仲良く付き合うイメージ”は、「親しく会話する」ことが前提でしょう? それを改めて、自分が十通りの付き合い方を楽しめるようになることを目指してください。

 そのひとつとしてお勧めしたい方法があります。すぐに仲良くなれそうにない人とは、“ちょうどいい距離”を置きましょう。相手の負担にならず、また自分も「つぎ会ったらどうしよう……」と取り越し苦労をしなくてすむのが、ちょうどいい距離です。

 ちょうどいい距離を保って、お互いのストレスにならない快適な関係を作ることも大人の付き合い方です。それは、けして冷ややかな関係ではなく、必要に応じて快適な距離を調整できる“自由な関係”なのです。

 自由な関係を築くのに必要なものは、あなたの思いやりですよ。今頭を悩ませている人たちに、どんな形で思いやりを見せられるかを考えてみましょう。たとえば、挨拶を交わすときは親しみを込めてあなたの最高の笑顔を贈り、普段は相手の出方を尊重してサラリと接する、というのはいかがでしょうか。

 大事なポイントは、あなたが相手に「何も期待しない」ことなのです。もしも「変わってほしい」と期待すれば、それは「私は報われたい」という欲望と一緒なので、相手はうっとうしい空気として受け取るでしょう。結果、あなたがイライラ・ガッカリすることになるんですね。

 同じことを、何も期待しないで、相手の意思を尊重してにこやかに続けましょう。その場合は、思いやりがそのまま人柄として伝わるので、多少気むずかしい人でもなんとなくあなたに親しみを覚えて、自分もまた感じよくしたいと思うものなのです。

 だれに対しても「親しく話せないとマズイ」と心を痛める必要はもうありませんよ。その考えは捨てて、それぞれに合った距離感を優先しましょう。これは余計なストレスから身を守る賢い方法でもあるのです。さあ、肩の力を抜いてあなた自身がラクな気持ちで過ごせるようになりましょう。

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Last Updated: 2017/10/17