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カウンセリングメッセージ

Vol.11 「怒ってしまうこと」

From ニシさん

僕はときどき、どうしても耐えきれずに怒ってしまうことがあります。外に怒鳴り散らすというのではなく、心の内側で怒りが炸裂して苦しくてたまらなくなるんです。これまで恥をかかされてものすごく悔しい思いをしても、ひとりで耐え抜いてきました。しかし、胸をえぐるような怒りが解消されないときはどうしたらいいのでしょうか。問題が起こって自分が悔しい思いをしていることを、まわりの人が全然わかってくれないと、本当にやりきれなくなって心が落ち着きません。こんなことがいつまで続くのかと思ったら不安でたまりません。僕は毎日、もっと安らかに、自然に生きていきたいんです。怒りと不安が入り混じって襲ってきたときは、一体どうすればいいのでしょうか。

『怒ってしまうこと』というタイトルから察して、あなたは自分が怒りを覚えることを問題視して、「困ったこと」とか「いけないこと」と思っているようですね。怒りにどう対処するかを考える前に、怒りを覚えることはいけないことでもなんでもなく、それは自分への大切なメッセージ≠セということを知りましょう。

 あなたは「恥をかかされた」と怒り、その気持ちをだれもわかってくれないことが悔しいと訴えていますが、あなたと同じような目に遭っても、まったく怒りがわかない人もいますよね。その違いはどこからくると思いますか?

 怒りがわかない人は、「恥をかかされた」と受け取らないか「恥をかくことは悪いことではない」と思っていることが多いのです。逆に、怒りがわき上がる人は、「恥をかかせることは悪」で「あいつはいやな人間」といった思い込みを持っているんですね。

 あなたの中に、「人前で恥をかかせるのはよくないことだ」という思い込み(=観念)があれば、そうされたら当然頭にくるはず。また、信頼していた人や自分を認めてくれていると思っていた人に恥をかかされた場合も、怒りや悔しさが込み上げるでしょう。

 このような問題を解決する方法は、2つあります。

 ひとつは、怒りの原因になっている自分の観念に気づく≠アと。そして「この観念に固執しているうちは幸せになれない」と認識し、勇気を出してそれを「捨てる」のです。人を変えようと思わず、またいつか変わってくれることも期待せず、まっ先に自分の観念を変えましょう。

 そして、新たに幸せになれる観念を選び直して、それを目標にしてください。たとえばそれは、「恥を肥やしにできるよう心を強化する!」とか、相手を反面教師にして「自分は人に恥をかかせない人間になる!」といったことです。それを、怒りを感じるたびに自分に強く言い聞かせてイメージすると、なりたい自分に近づいていきますよ。

 もうひとつは、胸にわいた怒りを抑圧しない≠アと。感情を表現することにチャレンジするのです。怒りに任せて人を非難しないように気をつけながら、自分が傷ついたことや悔しい気持ちを相手に正直に伝えましょう。できれば、誤解されないように面と向かって伝えるのがいいですね。

 もし、あなたが直接言うことは避けたいのなら、紙とペンを用意してください。胸に渦巻く怒りを言葉にして書きなぐる、という方法があります。声に出しながらやってかまわないので、怒りの感情が枯れるまで続けてみましょう。そして気がすんだら、最後にその紙を燃やして「すべてを灰に」します。

 怒りという負のエネルギーを昇華させると、心にスペースができます。何もしないと怒りの余韻(記憶)が侵入してくるので、自分の好きなことや楽しいことをして、空いたスペースを明るいエネルギーで満たしましょう。それが活力を生むのです。

 怒りは大切なメッセージ≠ニ書きました。最後に、改めて言葉にしてお伝えします。 『怒りがわき起こったときは、自分が変わるとき≠ニいうサイン。だれかを恨んだり、自分をあわれんだりすれば、堂々巡りがはじまるだけ。やすらいで生きていけるように、自分が抱え込んでいるどんな観念を変えるべきかをよく考え、前向きな選択をしよう!』

 不安も同じです。少しでもなくしたいと思うなら、希望がわき立つような観念を選び直して、それをもとに行動するようにしてくださいね。突き抜けて、笑顔になりましょう!

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Last Updated: 2016/11/17