「私は嫉妬しているだけ?」という自覚があるように、あなたを今苦しめているものの正体は嫉妬、ようは妬み≠ナす。努力しても報われないというやりきれない思いがいつしか妬みになって、それをうまくやっている人に向けているんですね。
かといって、うまくやっている人が目の前からいなくなれば問題は解決するとは思っていないでしょう? それだと、自分がつらい思いをした体験がまるで生かされないから、もし別の人が現れて同じことをしたらまた妬むことになってしまいます。
あなたは「自分の感情とうまく折り合いをつけたい」という気持ちを持っているので、きっとその体験を糧に成長できますよ。そのためにも今起きている問題を「自分の課題」としてとらえ、解決していきましょう。
最初に知っておいてほしいことは、妬み≠ヘだれにでもある感情で、それに悩まされない人はいないことと、妬む気持ちは苦しいからこそ多くを学べるようになっているということです。だから、今の自分を情けなく思うことはありません。あなたが書いているように、その感情と「折り合いをつければいい」のです。
妬んで苦しいときに、それを人のせいにして人を責めるのは簡単です。むずかしいのは「自分の気持ちに正直になる」こと。そして、自分が叫びたいほどほしがっているものは何かをしっかり把握することが大切なんですね。
あなたは心の奥底で、「私がこんなにまじめにがんばっていることを、もっと認めてほしい!」「ご機嫌を取るのは下手だけど、私のことをもっと好いてほしい!」と訴えていませんか? それを認めてから次のステップに進みましょう。
次のステップは、そんな思いを抱えている自分を「いくらほしがっても無理、みじめになるだけ」と退けないで、応援することです。「そうだよ、そう思って当然だよ!」と味方して、くすぶっている不満をふたつの信頼≠ノ振り替えましょう。
ひとつは、「どこかでだれかが私の仕事ぶりを必ず見ていてくれるはず」という信頼。もうひとつは、「降りやまない雨はないように、人生に嫌なことばかりは続かない」という信頼。なぜなら、今の状況は人生の通過点≠ノ過ぎないからです。
そう信じられると、今は予想もしない素敵な出来事が起こりはじめますよ。たとえば、仕事ぶりを認めてくれる人が現れたり、うれしい出会いがあったり……と。自分の心の中が様変わりすると、目に映る同じ景色が変わって見え、それまでとは違う結果がもたらされるようになるのです。
あなたの人生の作り手≠ヘ、あなた以外にはいません。このことをしっかりインプットしてください。人生に起こることは、すべてあなたの思いのフィルター≠通して見ている現象なのです。それが気に入らないなら、現象を変えようとせず、フィルターを変えるのが正解! それなら自分の意思でできますよね。
やきもきしたら、妬むというフィルターを、先の信頼のフィルターに変えましょう。情けないと感じたら、自分を責めるフィルターを、応援するフィルターに変えましょう。これを根気よく繰り返せばいいのです。心が成長してフィルターをラクに変えられるようになったら、人に振り回されず、自分らしさを発揮して楽しく働けるようになりますよ。