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カウンセリングメッセージ

Vol.1 「希望がない」

From ゆうこさん

20代で病気になってから10年間働けず、子どももおらず、まわりの人たちと比べて自分は不幸だと感じています。それでも生きていられるのは、やさしい夫のおかげだと感謝しています。でも、友人たちと会話できることはまれで、新しい交友関係もなかなか作れません。もともと働き続けたいと思っていたせいか、趣味的なことをしていても空しく、楽しめません。やってみたかったアルバイトも不採用になってしまいました。妹は出産し、大きな家に住み、車を持ち、親に悪態をついて生きています。私はいずれも持てず、親に大きな抵抗もできず、寂しく生活しています。私は一生懸命、真面目に生きてきたと思います。思いがけなく病気になって苦しかったけれど、我慢して、必ず乗り越えられると思って過ごしてきました。10年耐えましたが、未だに闇の中で光が見えません。

 まわりの人の外側と自分の外側を比べて幸福度を測ろうとすると、どうしても自分に「ない」ものばかりに目がいって、「あの人にはあんな幸せがあるのに、どうして私にはないんだろう?」という感情に取り込まれやすくなります。

 これが闇の中にいる状態。あなたは「未だに闇の中で光が見えません」と書いていますが、「健康がない、仕事がない、大きな家がない、車がない、子どもがいない、新しい友だちができない……」と10年間、自分にないものを強く意識して過ごしてきたことで、心を闇の中に閉じ込めていたんですね。

 思いがけず病気になれば、だれだって落ちこみ、予定や夢を踏みにじられてとても苦しい思いをするでしょう。私も体験したことがあるのでよくわかります。けれども、健康な人と自分を比べてなげき悲しんでいるあいだは、幸せを見つけることはできません。それだと、何のために病気になったのか意味がなくなってしまうからです。

 あなたは生まれる前に、「病気になったことから学んで成長を遂げる」と自分で計画してきたんですよ。それを了解しているあなたの魂は、「さあ、発想を変えて。これまでと違う考え方を選べばもっとラクになれるから」と懸命に呼びかけているはずです。今ある苦しみは、「早く自分の課題に向き合って」というサインなのです。

 謙虚に魂の声に耳を傾けましょう。そうやって大切なことに気づけると、胸の奥がジーンと温かくなって喜びがわきあがります。これが、闇から抜けて光に抱かれる瞬間です。今は暗いからこそ、明るい光を見出せるんですよ。一日も早くそうなれるよう、"発想を変えるヒント"をお伝えします。

 あなたは、自分に「ある」ものの価値をすっかり見失っているように見受けられるので、"病気をしたことで得られるもの"に意識を向けてみましょう。「自分の時間がたくさんあること」「健康のありがたみがわかること」「夫に心から感謝できること」「心は自由なのだと実感できること」「人のやさしさが身に染みること」「人を喜ばせたい(恩返ししたい)と思えるようになること」などがその例です。

 こうしたことを日々考え、「そうだ、ありがたいことだなぁ」という気持ちに浸ってみてください。心の底から感謝がわきあがれば、間違いなく幸福感を味わえるから。私は、「こんな自分でも生きろと応援されている。ありがたい」と涙が頬を伝ったときに、一条の光を見ました。

 感謝の念に勝る幸福感はありません。ご主人の愛を全身で受けとめて、今の10倍感謝しませんか。そして、その気持ちを言葉と態度で伝えましょう。また、ずっと心配してくれているご両親にも感謝しませんか。娘の幸せを陰で祈っていない親はいませんよ。

 あなたは、あなたを守ろうとする人たちに支えられて生きています。その恩恵を病気になってより強く自覚することができたときに、自分は少しも不幸ではなかったことがわかるでしょう。そうして、今の人生を笑顔で受け入れられるようになるのです。

 すると、暮らし向きは変わらなくても、今度はまわりを幸せにすることを考えはじめると思います。あなたのまわりには自然に人が寄ってくるようになり、「一緒にいると勇気がわいてくる」とか「話していると心がやすらぐ」ときっと言われるようになりますよ。

 それは、あなたが病気を抱えてたいへんな思いをしているにもかかわらず、やさしく微笑んでいるからなのです。そうなったら、人生が一変するようなうれしい出来事が必ず起こるでしょう。どんな状況のときでも、希望の光はいつもあなたの内側にあって、発見されるのを待っているのです。

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Last Updated: 2016/01/17