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カウンセリングメッセージ

Vol.10 「ぼんやりとした不安」

From みゆさん

最近ふと気づくと、ぼんやりとした不安に襲われています。多忙すぎて土日も休みが取れないくらい仕事はあり、気心の知れた友人もいて、健康な身体もある。本当に恵まれていると感謝していますが、電車を待つわずかな時間や、寝る前などの少しの時間などに、「私はずっとこのままなんだろうか……」と思うと不安になったり、悲しくなってしまいます。私なりに一生懸命やっているのですが、元々の気質から人に甘えることができないタイプなので、不安になっているという弱音すらだれにも打ち明けることができません。恋愛でも、去年、彼氏同然だった人が私と仲の良かった後輩と結婚してから、人を信じられなくなりました。以来、彼氏もいません。こんな私が、満ち足りた気持ちで過ごせる日はくるのでしょうか。

 あなたの漠然とした不安、とてもよくわかります。私も20〜30代のころはしょっちゅう感じていたから。一見、何不自由のない暮らしをしている日本人のなかには、あなたと同じ不安を感じている人は大勢いると思います。

 何不自由のない暮らし……という意味は、もしも天災に見舞われたり、生きるか死ぬかの大問題が勃発したら、そんな不安は一瞬にして消えてしまうからです。そこでちょっと視点を変えて、「こんなことで悩めるなんて、ありがたいことだなあ」と思ってほしいのです。

 決して、「こんなことで悩むなんて贅沢だ」とか「こんな不安を抱いてはいけない」と自分を否定することはありませんよ。あなたはそのままでOKです。ただ、「ありがたい悩みだからこそ、何か別の意味があるに違いない。これを活かそう!」という発想をしましょう。

 ぼんやりした不安≠フ正体は、実は、「自由に生きてないよ」という内奥からのサインなのです。頭では「恵まれていることに感謝している」と認識していますが、心は正直だから、不安にさせて「自分の本心を誤魔化すと苦しいよ」と教えているんですね。

 その本心について考えてみましょう。あなたは、友人関係なら「どんな気持ちも安心して打ち明けられるようになりたい」。恋愛関係なら「心から信頼し合えるパートナーがほしい」と思っていませんか? あるいは仕事面で「もっと評価されたい」という不満を持っているかもしれません。

 まずはそうした自分が抑えつけている本心≠ニ向き合うことが大事なのです。その気持ちを開放することが、自由に生きることへの入り口だからです。なぜ本心を抑えつけてしまうのかというと、開放すれば「そんなこと叶いっこない」「だったらどうすればいいの!」といった葛藤が起きるから、それがイヤで「私はこれでいい」と頭で納得しようとしてしまうんですね。

 さあ、そんな時期にピリオドを打ちましょう。葛藤は、これからジャンプするための踏み台のようなもの。それを力強く踏んで(その気持ちとしっかり向き合って)はじめて、幸せな未来に向かって高く飛びあがることができるのです。

「私はずっとこのままなんだろうか……」という不安は、「この現実を変えたい!」という内奥からの叫びです。それを聞き入れましょう。不安は悪≠ナはありません。不安があるからこそ、それをバネにして勇気をわき立たせ、現実を変えることができるのです。

 具体的には、現実の行動を変えればいい。たとえば「どんな気持ちも安心して打ち明けられるようになりたい」と思うなら、あなたから進んで友人に本心を打ち明けること。どう思われるか……という葛藤に負けないで行動を起こすのです。もしそれでうまくいかなかったら、その友人とはそれだけの関係だったということですから。

 また「心から信頼し合えるパートナーがほしい」なら、「人を信じられなくなった」と自分が何もしないことを弁解せず、新たな出会いを求めて素直に行動を開始すること。そのとき、異性に対する疑念を心に忍び込ませないようにしましょう。あなたの準備が整えば、きっと運命の人にめぐり会えるから、それを信じる気持ちのほうがはるかに大切ですよ。

 自由とは、自らの心が求めるように純粋に生きるということです。そのときがきたのです。

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Last Updated: 2015/10/17