もどる
カウンセリングメッセージ

Vol.8 「静かな空間で緊張します。」

From あおさん

緊張からですが、静かなオフィスや会議室、エレベーター、映画館などにいると、必ずお腹の調子が悪くなります。長年それを気にし過ぎて、心労をきたしています。過去に一度、緊張から腸の調子がおかしくなったことがあり、脳がそれを記憶しているのでしょうか、以来、定期的に起こるようになりました。職場や環境が変化しても、どんなに過去に囚われているだけだと認識してもまったく変わりません。病院にも行きましたが、原因は緊張だとわかっているために、そのことを指摘されても状況は同じです。私は真面目過ぎるのでしょうか。

 上司やまわりの人に言いにくい悩みを抱え、ひとりで胸を痛めているのでしょう。原因は「過度の緊張からくる心因性のもの」とわかっているだけに、悪循環≠ゥら抜け出せなくなっているように見受けられます。

 悪循環とは……「緊張してはいけないと思う」→「さらに緊張する」→「お腹の調子が悪くなる」→「静かな空間では必ずそうなると恐れる」→「もうそうなることから逃れられないという思いにとらわれる」→「ますます恐怖心を募らせる」・・・

 緊張を解きほぐすためのごく一般的な方法は、その場で深呼吸する、歌を口ずさむ、自分の部屋にいるときの自分を思い浮かべるなどいろいろありますが、あなたはたぶん全部試して「効果がなかった」と落胆しているのでしょう。

 なぜなら、あなたにとってそうした方法は「焼け石に水」だからです。心に強い恐怖心があると、猛烈な自己暗示がかかって思い込んだ通り≠フことを体に起こしてしまうからです。それで職場や環境を変えても事態は変わらないんですね。

 あなたは「緊張すること」を敵対視しているようですが、それは自分が恐れた結果に過ぎず、緊張そのものは悪者でもなんでもありません。過度の緊張は「発想を変えて」と訴えている体のサインなんですよ。だから、自分を嫌悪することはやめましょう。

 あなたにお勧めするのは発想の転換≠ナす。「緊張してお腹の調子が悪くなって、どこが悪い!」と世間に対して開き直ること。「緊張したかったら、好きなだけ緊張していい!」と自分の体に許可すること。そして、「緊張する自分をずっと毛嫌いして、ごめんね」と自分の心にあやまること。この3つです。

 この3つを自分を変える呪文≠フつもりで毎日唱えてみてください。声に出して、できるだけ感情を込めて言うようにしましょう。特に静かな空間に立ち入らなければならないときには、何度も何度も心のなかで唱え続けてください。

 それでも、しばらくはお腹の調子が悪くなるかもしれません。そのときは自分を嫌わず、がっかりせず、そんな出来事を笑い飛ばして、さっさとお手洗いに行けばいいだけです。もう、ビクビクしたり困り果てたりする必要はありません。

 あなたはまじめだから、今言ったことを真剣に続ければきっと変化が表れますよ。最初の変化は、『気持ちがラクになる』です。お腹が痛くなるかもしれない自分を受け入れると、たとえ状況は変わらなくても、心のなかがまるで違ってくるからです。

 次に、以前ほどお腹のことを心配しなくなり、『静かな空間はイヤだと恐れる気持ちが薄れていく』でしょう。「そうなったらそうなったとき、お手洗いに行くだけだ」と開き直ることで、心が強くなったと感じるでしょう。

 そして、いつかきっと、『気がついたら、今日はお腹が痛くならなかった』というときがやってきます。あなたの体は、あなたの心の写しなのです。過度の緊張は「発想を変えて」というサインだとお伝えしました。あなたの体は何を求めているのかわかりますか?

 愛です。「自分を嫌わないでやさしく労わってほしい」と訴えているのです。労われば労わるほど、体はあなたのやさしさに応えて言うことを聞いてくれるようになるでしょう。必ずそうなると信じて続ければ、大丈夫ですよ。

ご相談入力コーナー

*)ご入力いただいた方の中から、ご相談内容とカウンセリングメッセージを掲載します。


| ホーム | プロフィール | エッセイ | ねっとカウンセリング | みんなの広場 |
| Booksコーナー | 講演依頼 | お知らせコーナー | ボイス・レター |

Last Updated: 2015/09/17