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カウンセリングメッセージ

Vol.5 「他人の目ばかりが気になる。」

From  ちえこさん

私は33才の事務員です。幼いころから人見知りが激しく、人と話すのが苦手です。そのせいかどうかわかりませんが、変わり者扱いされてきました。小学生時代から友だちができず、ひとりで孤立していました。高校時代はリーダー格の人に嫌われて、毎日陰口をたたかれていました。その後、就職活動をしましたが、いつも面接で落とされて、とうとう正社員になれないまま今に至っています。他人の目ばかりが気になって人に嫌われることがとても怖いんです。人と話すときは、必要以上に緊張して疲れてしまいます。もうつらくてたまりません。過去のトラウマを乗り越えて、自分らしく自由に生きたいんです。トラウマをどのように捉えれば乗り越えられるでしょうか。

 小学生のころから「人に嫌われないように……」と、ずっと緊張して生きてきたんですね。つらかったことでしょう。あなたは少しも変わり者ではありませんよ。ただ、「自分らしくいたい」と願いながら、どうすればいいのかわからなくなっているように見えます。

自分らしさ≠明確にしましょう。「自分らしく自由に生きたい」という切実に願っているということは、今は「自分らしくない」「不自由だ」と感じているわけですから、あなたが手に入れたい「自分らしい自分」と「自由」とは何かを考えてみてください。

 たぶん、今とは正反対の状態かと思います。「人目を気にせず、のびのびと思いのままに振舞う自分。それこそが本当の自分で、そんな自分で生きることが自由に生きることだ」。そう思っているのではありませんか?

 では質問します。それほど明確な本当の自分を退け、押し殺しているのはだれですか? 本当の自分でいることよりも人目を気にすることを重視し、つらい思いを選んでいるのはだれですか? 答えは、ほかのだれでもないあなた自身≠ナすよね。

 きびしく感じたかもしれませんが、これはとても大切なことなのです。あなたは、もちろん無意識になのですが、「かわいそうな自分」でい続けようとしているからです。どうしてかわかりますか? 

 何もかもトラウマのせいにして暗闇に潜んでいるほうが、安気だから。人間は、傷ついて長いあいだ暗闇にいると、頭では「早くここから抜け出したい」と考えても、心は未知の世界に飛び込むのを怖がって、「ここでかわいそうな自分でいるほうがラク」と現状に甘んじてしまうことがあるのです。

 これがあなたの深層心理であり、「変われない理由」です。ちょっと混乱しているかもしれませんが、これだけは覚えておいてください。あなたが真摯に自分の心と向き合い、「変われない理由」を受け入れたとき、ブレークスルー≠ェ起こり、あなたははじめて生まれ変わるでしょう。

 ブレークスルーとは、現状突破です。心が行き詰まった状態を打ち破って再生するには、必ずラクではない痛みをともないますが、それは生まれ変わるために必要なプロセスなのです。

 もう、昔の出来事を引きずって生きることはありません。勇気を出して、過去の自分と決別しましょう。トラウマのことは考えなくていいから、「嫌われたってかまわない!」と開き直って、自己嫌悪も、コンプレックスも、いやな記憶と一緒に捨ててしまいましょう。

 もしあなたのなかに「自分らしい自分」がいなければ、あなたはその自分を胸に思い描くことはできません。つまり、あなたの信じる「自分らしい自分」は、断じて幻ではないのです。これからは「本当の自分を押し殺してないか」と、人ではなく、自分にしっかり目を向けてくださいね。

 心がブレークスルーをやり遂げて飛躍的に成長すると、まるで生まれ変わったような気持ちになるでしょう。そこには堂々として、自分らしく生きているあなたがいるはずです。そうなった自分のイメージを毎日思い浮かべながら、新たな一歩を踏み出してください。

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Last Updated: 2015/05/17