あなたが行き詰まっているのは対人恐怖症のせいではありませんよ。あなたはけして人を嫌っているわけではないからです。むしろ逆、「人からよく見られたい」と意識するのは「人から認められていい関係を築きたい」という願望のある証拠なのです。
あなたが仕事を辞めたくなるときは、業務が嫌だからではなく、人間関係で味わう自分の嫌な感情≠ノ耐えられなくなったときのようですね。嫌な感情とは「私はここにいても価値がないんだ」といった自分を否定する気持ち。
それを感じると、「だったらどうすれば人に認めてもらえるか」とは考えず、「もうここにはいたくない」と思って仕事を辞めてしまう。これだと職場を変えても自分の課題≠ヘそのまま残るので、どこへいってもまた同じような感情を味わうでしょう。
けれど、あなたはやっとそれがわかって「成長して強くなりたい!」と痛切に願っています。その今こそが、自分を変えるチャンスなのです。『もっとも重要な人間関係は自分自身との関係』だと知っていますか? これを自覚して心の持ちようを変えれば、環境を変えなくてもほとんどの問題は解決します。
詳しいことは『嫌な感情の愛し方』に書いたのでぜひ読んでいただきたいのですが、ここではあなたの課題のひとつである無価値感≠取りあげましょう。
無価値感を抱えていればいるほど「まわりから自分の価値を認めてもらって安心したい」という気持ちが働くために、無理をしても人からよく見られようとます。それはつまり「自分で自分の価値を認められない」ことの裏返しなのです。
人から認められたらうれしいのはみんな同じ。でも、たとえそうならなくても、楽しく生きられる人とそうでない人がいるでしょう? この違いはなんだと思いますか? だれよりもまず自分で自分の価値を認めているかどうかなのです。
あなたが心の中で自分を否定していると、まわりの人も自分を否定するのでは……とつい疑心暗鬼になります。もし、まわりの人がそう見えたら、それは自分の心の映し≠ネんですね。だから、まっ先に心の中を塗り替える必要があるのです。
これからは、嫌な感情がわいたら「人を当てにしないで、自分で自分の価値を認めて!」というサインだと考えましょう。あなたが今まで放置していた無価値感を癒し、「私は私なんだ」と思えたら、それだけでもっと楽しく生きられるようになります。
朝起きたときと寝る前に、「私はけなげにがんばっている愛すべき存在!」と明日から声に出して言ってみてください。それを習慣にすれば、嫌なことがあってもマイナスにとらえなくなって、耐えた自分に「偉い!」と褒めたり、「今度はきっといいことがあるよ」と慰められるようになるでしょう。
自分を認めるのに人と比べることはまったくありません。悩みつつもひたむきに生きている姿や、成長しようと陰でがんばっていることを知っているのはあなただけなのだから、自分を応援すること≠ヘあなたの一番大事な仕事なのです。
職場を辞めることはいつでもできます。今は踏ん張ることで自分を認めて応援する練習をしましょう。あなたの心は、あなたの愛に飢えています。そして、もっと対話をしたがっています。心は、愛を注がれるといくらでも強くなっていくんですよ。