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カウンセリングメッセージ

Vol.09 「どうしようもない寂しさ 」

From  まろんさん

鬱々とした気持ちから抜け出せません。私生活、学生生活、家庭環境を客観的に見れば何も問題ないと思いますが、「自分のために」前向きに物事に取り組むことができません。「誰かのために」なら苦にも思わず取り組めていたことも、対象の「誰か」がいなくなり、自分が生きている意味も、女性として生まれてきた意味もわからなくなりました。耐え難い寂しさしから逃れられず、虚しさと孤独感に押しつぶされそうです。まるで、自分と世の中に1枚壁があるような、世界から切り離されているような感覚です。この寂しさを埋められるのは、家族でも友人でも自分でもなく、誰か男性の存在が必要だと感じます。なぜそこまで「男性」にこだわるのか自分でもわかりません。人のためにしか頑張ることのできない自分を変えたいと思いつつ、方法がわからず、やっと自分を保っている状態です。

「自分のために」だと、前向きに物事に取り組めないし、生きがいも感じられない、というあなたの心の中で、今どんなことが起きているのか見ていきましょう。

 本来ならば、「自分のため」ではなく「人のために」尽くしたいという気持ちはすばらしいもの。それは、自分のことを二の次にできる"奉仕=愛"の心だからです。ところが、あなたの尽くしたい人は「特定の男性(恋人・パートナー)」に限られています。

 その感情は"奉仕=愛"の心から発しているものではないことに気づきましょう。あなたの心にある「特定の男性に尽くしたい」気持ちの根っこにあるのは、「そうすることで、その男性に認められて愛されたい」という気持ち。

 つまり、「人を愛したい」と言いながら、実態は「自分が愛されたい」のです。その欲求を「人のためにしかがんばれない」と言い換えているように見受けられます。本当は恋愛をしたいのに、それがままならならない苦しみが、耐え難い寂しさを招き、さらに「いっそ、人のためにがんばる自分を変えたい」という気持ちをあおっているんですね。

 これが、自分に必要なのは、家族でも友人でもなく「特定の男性」と思う理由です。それを「誰かのためなら苦にも思わず取り組めるけど、自分のためだとできない」という問題に摩り替えているので、出口が見つからないのです。

 自分の気持ちにもっと素直に、もっと正直になりましょう。恋愛したい、思いきり尽くしたい、思いきり愛されたい……という欲求を誤魔化さないでください。自分の心にフツフツとわき上がる感情をきちんと受け止めることはとても大切なことです。

 そこから「自分に対する理解」が生まれ、その延長上に「自分を受け入れる愛」があるから。自分の感情をジャッジしないで受け入れられるようになってはじめて、人のことも同じように理解し、心から愛せるようになるんですよ。

 あなたは今の自分がどのくらい好きですか? たぶん、あまり好きじゃないと思います。好きになれないと、心は虚しさを覚えます。男性を好きになる前に、ぜひ自分を好きになってください。

 あなたは今日まで「自分を好きになれないと幸せになれない」という体験をしてきました。それを終わらせるときがきたのです。こんな自分はイヤだとか、不本意だとか、あれこれ文句をつけるのを、ぜーんぶやめましょう。

 まずは、恋愛できなくて寂しがっている今の自分を受け入れましょう。次に、そんな胸のうちを素直に打ち明けられる仲間を作りましょう。そして恋愛談義に大いに花を咲かせてください。それから、家族と楽しい時間を過ごすよう心がけましょう。

 この3つに全力を注ぐと、あなたは今の自分を大切にすることができます。それだけではありません。身近な人を思いやる心をよみがえらせることができます。すると、世界から切り離されているような感覚はすぐに消えますよ。その感覚は、まさにあなたが本来の自分から切り離されている感覚なのです。

 あなたはもともと、「誰かのためになりたい。役に立ちたい」という気持ちが強い人だと思います。その行為を、純粋に"愛"からできるようになりましょう。すると、あなたは人に尽くすほど心が豊かになり、そんなあなたを見初める人がきっと現れるでしょう。

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Last Updated: 2014/9/17