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カウンセリングメッセージ

Vol.07 「親ばなれできない」

From  かざぐるまさん

自立しようと家を出て、仕事をしながら生活しています。でも、金銭的には自立できても、精神的には全然ダメです。不安があるとすぐ母に相談してしまいます。解決するのは親ではなくて自分とわかっていても、どうしても「母にも共有してほしい」と思ってしまうのです。自分ひとりで抱え切る覚悟がまるでできていません。かといって母にどうしてほしいのか、自分でもどうしたらいいのかわからない。モヤモヤをずっと抱えたまま解決できず、ストレスが溜まって「もう限界!」と感じています。最悪なのは、たぶん母を傷つけていることです。外では、まわりの人の感情を汲み取って元気そうに振る舞っているのですが、じつは八方塞がり。 私はどうしたら今の状況を越えることができるでしょうか。

 あなたは自立≠目指して自分の意志で家を出ました。たぶん、このまま家にい続けたら自分のためにならないと考えたからでしょう。あなたは、自分がきちんと納得できればどんな問題も乗り越えられる人だと思いますので、しっかり読み込んでくださいね。

 自立の目的は「生活力を身につける」こと。それは自分の人生を切り開く力を養うためには欠かせないプロセスです。それを決行したあなたは、次の段階である「精神的にひとり立ちする」ときを迎えたのです。それが自律≠ナす。

 自律の目的は「自分の感情をコントロールできるようになる」こと。特に、不安や怒りといった心を動揺させる感情を自制できるようになることです。人間は【自立&自律】を果たしてはじめて、自分の人生を自由に生きられるようになるんですよ。

 あなたが八方塞がりなのは、自律するチャンスを迎えている証拠です。ジャンプしようとすれば、いったんしゃがみ込まなくてはいけません。まさにその状態。苦しくなって伸び上がったとき、目指す方向に飛べるようにアドバイスします。

 あなたはお母さんに守られて育ち、お母さんのことをとても信頼しています。それで「母親がいなくても大丈夫な自分にならなくてはいけない」と思う反面、母親から切り離されることがこわくてたまらないのでしょう。

 本当は自分で何もかも解決したいのに、すぐ母親を頼る。それでイラつき、そのせいで母親に悪態をつき、それも自分を責める材料になっている。――これがあなたの現実ならば、そんなに葛藤しながら親離れできないわけを自分の胸に手を当てて考えてみましょう。

 母親とつながっていたい気持ちはあると思いますが、それ以上に大きく心を占めているのは「失敗を恐れる気持ち」です。「失敗して泣きを見たくない」「しくじってみじめな思いはしたくない」という気持ちを抱え込んでいませんか?

 自分の恐れをしっかり受け止めると、解決の糸口をつかめます。その上で、発想の転換を図りましょう。「自分で決めたことをやって失敗してもいい」という許可を自分に出すのです。明るく許可するには「失敗はよくない」「みじめな思いをするのはよくない」という価値観を払拭する必要があります。

『若いときの苦労は買ってでもせよ』と言われるのは、若いときに失敗や悲しみから立ち直る体験こそが、その人間を成長させることを先人たちは熟知しているからです。その言葉を信じて「失敗はよくない」「苦労は避けたい」という思い込みを、「失敗は成功の元」「苦労は成長の糧」に書き換えましょう。

 未知の世界に足を踏み出すのが不安なのは当たり前。でも、不安は悪者ではありません。「不安を勇気に換えて動け」というサインなんです。仕事や人間関係に果敢に挑み、転んだらそのわけをじっくり考えて、ふたたび立ち上がればいいのです。

 母親には見守っていてほしいと告げて、自分の意志で決断しましょう。決めて、動いて、転んで、ふたたび立ち上がったとき、あなたは確実にひと回り大きくなっています。それを何度もくり返しながら自分の人生を切り開いていく。それは実にやりがいのあることなんですよ。

 あなたはまだ20代、失敗を恐れず全力で挑み、ぜひホンモノの友人、ホンモノの恋人、ホンモノの生きがいを見つけてください。ホンモノは「上辺ではない」という意味です。本気で生きるとホンモノを見分けられるようになって、今は想像もできない大きな幸せを手にできるでしょう。

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Last Updated: 2014/7/17