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カウンセリングメッセージ

Vol.06 「自分とうまく付き合えない」

From  ねこさん

完璧主義で自分が思ったようにできないと、すぐにキレて暴れてしまいます。冷静になるまで時間がかかることもやっかいです。そんな私ですが、職場ではおとなしく、自分でもあまりのギャップに「どうして家では穏やかに対応できないのか」と自己嫌悪に陥ります。夫に甘えているという自覚はあります。夫のアドバイスや意見を素直に聞けず、すぐ文句を言われた気になって反発し、「こんなに気難しいと、夫を疲れさせて見放されてしまう」と恐怖を感じます。そのくせ「こんな私はひどい目に遭って当然」と、苦しい目に遭うように自分から仕向けているような気がするのです。こんな自分を受け入れようとも考えるのですが、そんなことをしたらますます横柄になるか、どうせ続かないだろうと思ってしまいます。こんな自分とうまく付き合うにはどうしたらいいでしょうか。

 あなたはこれまで家庭と仕事を両立させてきたのですから、けして思慮分別がないわけではないと思います。自分が無意識に抱え込んでいる怒りを、どうやって逃がせばいいのかわからなくてご主人に当たっているように見受けられます。

 ご主人に対しては、甘えている自覚があり、反発しつつも見放されてしまうのではないかと恐怖を感じている。さらに、自分からそう仕向けているような気がするとも書いていますが、ここからあなたの深層にある2つの気持ちが読み取れます。

 1つは、『夫の愛を試している』ということ。その陰には「これでも愛せる?」「どんな私でも愛してほしい」「これくらいでは見放さないわよね」「もっと私のことを認めて」という気持ちが潜んでいます。

 これは、愛に飢えた子どもが、親や身近な大人から叱られれば叱られるほど悪態をつく心理に似て、自分のほうから「これでも愛せる?」と挑みながら、「これ以上、君を愛せない」と言われることをもっとも恐れているのです。

 もう1つは、『自分を認められない苦しみにあえいでいる』こと。自己嫌悪が激しいのは、自分を愛せないことに苛立っている気持ちの裏返しなんですね。完璧主義の人は「できて当然、完璧にできなければ『全然できない』のと同じ」という発想をしがちですが、そんなにハードルを高くしたら、いつまでたっても自分を認めることはできませんよ。

 あなたの本音は、「自分を認めたいのに自分に価値を見出せない。自分を愛する自信もない。だから、せめて夫から認められ愛されたい」なのに、自分を愛せないことへの怒りが先に飛び出して、どうしてもご主人に当たってしまう……。これが今の状態です。

 では、どうやってそんな自分とうまく付き合っていけばいいのかをお伝えしましょう。

 まず、『夫の愛を試している』ことについて。愛は試すものではなく、感謝して受け取るものです。ご主人が何かアドバイスしてくれたら、今日から返事はこれだけ! いいですか、「ありがとう。私やってみる」と言ってみてください。

 反発心がわいても、できないという気持ちがわいても、照れくさくて言えないと思っても、ご主人の目を見て「ありがとう。私やってみる」とはっきり言う。これを実行できれば「完璧にできなかったらどうしよう」という気持ちから脱することができるから。 「完璧にできなくてもかまわない。ぎこちなくてもかまわない。『私やってみる』と素直に言えた自分が、前の私より好き!!」と思えたらいいんです。「ありがとう」は魔法の言葉だから、きっと恐怖心を少しずつ洗い流してくれるでしょう。

 次に、『自分を認められない苦しみにあえいでいる』ことについて。あなたが目指す(認められる)自分は、あなた自身が考えた「最高に幸せな自分像」ですか? たぶん違うと思います。いつのまにか、親や世間が評価してくれそうな鋳型に自分をはめ込もうとしていませんか?

 今ある苦しみは、「そうじゃない、違う生き方をして」という心の叫びなのです。さあ、そんな鋳型から抜け出しましょう。あなたは世界にひとりしかいないから、人真似をすることはありません。自分が何者かを決めるのも、自由の翼を与えるのも、あなた自身です。それを自分に許せば、心を蝕む怒りが消えてきっと笑顔が戻ってきますよ。

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Last Updated: 2014/06/17