答えはすでに出ていますよ。「今の環境を変えたい!」とあなた自身が打ち出しています。けれども、決断する勇気が今ひとつわいてこなくて戸惑っているようですね。
お花の仕事が大好きなあなたは、5年間がんばって仕事を習い、自信と誇りを持てるまでになったのでしょう。もしもこのまま正社員になれないことだけが問題ならば、経営者に直談判するなどして、それを解決することに一生懸命になると思います。
でも、そうではないようです。あなたはもっと違う環境(理念の一致する職場)で思いきり働いてみたい! 自分の力を試したい! もっと自分を磨きたい! と思っているのではありませんか? だから「転職したい」という気持ちを止められないのです。
実際は転職ではなく、自分の力を評価してくれる新たな職場でお花の仕事をしたいんですよね。もしかしたら「同じ考え方の人とお花屋さんを経営したい」という夢もあるかもしれません。しかしうまくいく保証はどこにもないので、「ここに残って精進するべきか」と留まることを正当化して自分を納得させようとしているように見えます。
人間は「羽ばたきたい!」という気持ちがわき起こったとき、飛び立てないように足を引っ張ればしだいに苦しくなります。それはあたかも、長年着古してもうキツくなった洋服を、そのままむりに着せておこうとするようなもの。
「窮屈だ、この服では苦しい」と言っている自分の声を聞き入れて、着心地のいい最適な洋服を用意してあげましょう。そうすれば自然に笑みがこぼれますよ。ただし、お世話になった洋服に感謝する気持ちは忘れないこと。そのおかげであなたは大きくなり、キャリアを積み、大事にしたい理念を育むことができたのですから。
先のことはやってみなければわかないし、もしうまくいかなかったらまた出直せばいいのです。それより、若いときにずっと続けたい仕事にめぐり会えたのはとても幸せなことだから、その道のプロを目指しませんか。
私は、チャレンジしない人生ほど退屈で、自分の成長を奪うものはないと思っています。人は年齢に関係なく、自分が懸命に工夫して励んだ分だけ、充実感と生きがいを得ることができるんですよ。
その道のプロを目指すなら、そのときの自分に必要な環境、つまり学べる場を整えることはかなり重要です。そう言うと……「今の環境を変えたいと思うのは、単に自分のわがままか、それとも必要なことなのか、見極めがむずかしい」という質問をよく受けます。
答えは、変えたことで苦労が増えたとしても、そこに"ワクワク感"があるかどうかが鍵です。不安なのは当たり前、だけど、不安よりもやる気のほうが勝っていればOK。「環境を変えなかったことを後悔するくらいなら、変えて苦労するほうがマシ!」と思えればGOです。
あなたへのアドバイスは、「覚悟を決め、感謝して、賢くやめましょう!」ということ。「賢く」とは、今のうちに業界の情報を集めて理念の一致する会社を探したり、信頼できる人に相談して職場を紹介してもらうなどして不安を減らし、最大限にやる気を盛り上げることです。
そして『飛ぶ鳥あとを濁さず』ということわざ通り、すっきりした気持ちで飛び立てば、後ろ髪を引かれず、新たな世界でやるべきことに専念できるでしょう。これからあなたという大輪の花を人生に咲かせてください。