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カウンセリングメッセージ

Vol.12 「自分に自信がありません。」

From  えみこさん

私は自分に全然自信がありません。何をやっても中途半端に終わって一生懸命できないんです。これまで何かに夢中になったということがありません。私は頭も悪く、知識もなく、人の会話が理解できないことがしょっちゅうあります。そのときは「どうせ無理だ」と人の話についていくのをあきらめてしまいます。でも、そんな自分を見せるのは恥ずかしいから、体裁を装っていい人を演じたり、年相応の対応をしたりしています。本当は何もできないくせに、怖くて仕方がないくせに、変にできる自分を演じてしまうんです。それで苦しくなると、環境を変えたほうがいいと思って転職を考えます。この悪循環を断ち切るにはどうしたらいいでしょうか? どうすれば自信を持てますか?

 最初から自分に自信のある人なんてだれもいませんよ。みんな何度も傷ついて、めげそうになりながらも少しずつ「自分を信じる気持ち」=「自信」を培っていくのです。そのために必要なものは"勇気"と"やさしさ"です。それを詳しく説明しましょう。

「自分に自信がない」ということを口実に、あなたはあるがままの自分で生きることから逃げているように見受けられます。その言い訳として「頭が悪い、知識がない、何もできない」と言い逃れをしている……。なぜかというと、本当に頭が悪くて何もできない人には、いい人を演じるとか年相応の対応はできないからです。

 あなたは頭が悪いのではなく、怖がりで、見栄っぱりで、自分を愛そうとしていないだけです。本気で自信がほしいのなら、そんな現状を素直に認めて、その自分を受け入れることが出発点です。その上で発想を切り替えましょう。

 あなたの頭には"理想の自分像"がありますよね。でも、それはあくまでも"評価されそうな他人像"だということに気づいてください。あなたは自分が好んで作ったものではない理想と現実を比べて落胆し、「どうせ私には無理だ」と物事をあきらめてきたのです。

 今理想と思い込んでいる自分像は、育ってきた環境の中で大人から植え付けられたもの。頭ではその理想に近づこうとするのだけれど、無理ばかりして、心は少しも幸せを感じられないから逃げ出したくなるのです。

 このまま無意識にそんなことを続けていれば、悪循環(苦しみから逃げる癖)を断ち切ることはできません。なぜなら、それは自分を見失っている状態だからです。さあ、ありのままの自分にOKを出して笑顔を取り戻しましょう。

 まず、ほかの人から植え付けられたその理想像を捨てる。捨てて、素の自分に帰るのです。あなたの本当の望みは、ありのままの自分を生きることなんですよ。こう考えてみて。「私はありのままの自分を生きるため、最初に人から植え付けられた理想を追いかけて、それでは幸せに生きられないことを体験した」と。

 それを体験した今、するべきことは勇気を出して前に進むこと。つまり「これからは素の自分で生きる!」と決意することなのです。具体的には、「怖がりの自分もかわいい、怖い気持ちを受け止めてありのままの自分を愛そう」とハラをくくる。すると、怖がりの自分が居場所を得て態度が堂々としてきます。

 そうやって、理解という"やさしさ"を自分自身に注いでいくと、欠点が長所に転じます。それはもともと表裏一体だから。たとえば、見栄っぱりなところが他者を気遣う性質に変わったり、怠惰なところが穏やかなマイペース主義に変わる、というように。

 もう、優秀なだれかになろうとする必要はありません。自分という唯一の存在を受け入れて十二分に愛を注ぎましょう。自分が幸せに生きられるかどうかは、優劣とはまったく関係なく、自分に注ぐ愛の深さによって決まるのです。そのことを覚えておいてください。

 素の自分を受け入れると、しだいに自分をいとしく感じられるようになってきます。「私が私を愛さなくてだれが愛するんだ」という気持ちが芽生えてきます。そこに生まれるのが「私を幸せにするのは私しかいない。愛すれば幸せにできる!」という信念です。この信念に目覚めることが、自分を信じる気持ち、つまり自信をよみがえらせる方法なのです。

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Last Updated: 2013/12/17