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カウンセリングメッセージ

Vol.11 「わからなくなりました。」

From  あめさん

半年前、大好きだった人に別れを告げられました。相手を信用しようと努力しなかった自分のせいなので「自業自得」と思いました。それで、前に進む努力をするために、自分のやりたい事をやるつもりで家を出る決意をして引っ越しました。しかし、引っ越してから冷静になり、自分はやりたい事のために出てきたのではなく、小さな町なので、元彼とばったり会ったり、新しい彼女の情報が耳に入るのがイヤで、逃げてきたんだということに気づいたのです。そんなくだらない理由で家を出た自分が情けなくて、立ち直ったと思い込んでいたけれど、急に虚しくなってしまいました。応援してくれたみんなにも悪くて、どうしていいかわからない状態です。こんなことでいいのでしょうか……。

 あなたは思い切ってひとりになったから、冷静に自分を見つめることができたのだと思います。それはものすごく意味のあることなんですよ。だから、くだらない理由で家を出てしまったと虚しく感じることはありません。むしろ、自立するチャンスを得られたことに感謝しましょう。

 あなたには自分のことを客観的に見る力があります。それだけ、自分の気持ちに素直なんですね。それは大きな利点です。そのよさを伸ばしていったら、その力が自分のことも人のことも理解する力になり、きっと幸せな信頼関係を築けるようになるでしょう。

 今は、そんな未来に向かって新たな一歩を踏み出したところです。大好きだった人は、あなたに自立するチャンスを与えてくれたありがたい存在なのです。そのことはいずれわかる日がくるでしょう。

 人間には、些細なことで傷つき、それ以上傷つきたくはないと思って必死に自分を守ろうとする"弱い"部分があります。けれども同時に、つらい体験を糧にして、たくましくはいあがろうとする"強い"部分もあります。自分を振り返ってそう思いませんか?

 それが意味するのは、自分がどんな感情に心を奪われるかで未来が変わるということ。今ある感情が次の体験と感情を引き寄せるから、過ぎたことにクヨクヨするのではなく、これからできることに胸を躍らせて前に進むことがとても重要なのです。

"自分のやりたい事"があるなら、わき目も振らずそれに専念しましょう。人は、やるべきことをやらず、あるいはいい加減な気持ちでやって望む結果を出せないと、必ず後悔して自分を責めはじめます。そうやってどんどん自信を失っていくんですね。

 けれど、やりたい事に向かって全力投球すれば、たとえ望み通りの結果を出せなくても、「自分はやるだけやった。悔いはない」と納得できると思います。納得できれば、次にやるべきことを選んで前に進めます。

 こんなふうに考えましょう。「今回の体験を契機に自分の気持ちを深く掘り下げ、人間の"心の動き"というものを理解した。自立したせっかくの機会に、精神的にもしっかりと自律して、人間の心についてもっと理解を深めよう!」って。

 『自立』は経済的にひとり立ちすることですが、『自律』は自分の意思で物事を決めて自らの責任において行動できるようになることです。魅力的な大人になりたいと思うならば、このふたつの"ジリツ"は必要不可欠です。

 あなたは家を出て、これらのジリツを身につける機会を手に入れました。余計なことを考えているときではありませんよ。応援してくれる家族や友だちにいい笑顔で会えるよう、自分がやるべきことを精一杯やりましょう。

 笑顔の中に自信が香る人って、カッコいいと思いませんか? でも最初から自信のある人なんてどこにもいません。だれでも人生に次々とやってくる苦難を乗り越え、その体験を糧に理解力と包容力を身につけた結果、自然と自信が香るようになるのです。

 あなたならきっとそうなれます。そんな自分を目指そうとしても、ときどき心が揺れることはあると思いますが、そのときは弱さを受け入れ、心の動きをじっくり観察して理解力と包容力を養ってください。それが強さを引き出す方法なのです。

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Last Updated: 2013/11/17