もどる
カウンセリングメッセージ

Vol.05 「自意識過剰」

From  桜さん

自意識過剰な自分に悩んでいます。思い返せば子どものころ、自分が何かしたり、言ったりするたびに、すぐさま兄弟にバカにされ、揚げ足を取るようなことをされていました。大人になった今は、必要以上に人の目が気になり、内心こう思われているんじゃないかと気になってしまいます。それで人から変に思われないように体裁をつくろってしまいます。そうすると、心はここにあらずの状態になって、人の話も頭に入らず、仕事をする上でも自分のやっていることに集中できず、結果はさんざんです。また、人に質問することも苦手で仕方がありません。もういい大人なので、自分自身でこの問題を乗り越えたいのです。どうかご助言をお願い致します。

 あなたは「人にどう思われるか」を気にすることに、貴重な気力や時間の大半を費やしているようですね。そうやって体裁ばかり考えていると、結果として自分の人生を生きられなくなってしまいます。

 それを頭では理解していても、人目が気になる自分をどうすることもできないのでしょう。その原因は、"素の自分"ではダメ、バカにされる、認めてもらえない、人生がうまくいかない、と思い込んでいるからです。実際に今あなたを苦しめているのは"素の自分"ではなく、"人目を気にする自分"ですよね。

 だれもがさまざまな幼児体験を抱え、そこで背負い込んだ苦しみを解放するために発想を変えていくのです。あなたには苦しみを「乗り越えよう」という意志があるから大丈夫、必ずできます。自意識過剰なのは、もともと自分がかわいくて仕方がない証拠だから。その自分に改めて「素の自分が一番ステキ!」と強くインプットしましょう。

 あなたに勧めたいことは『開き直る』ことです。「これが私、私は私!」という気持ちになることですが、「居直る」こととは違います。「心を開き、素の自分に直る」、つまり、かっこつけず素直になることが、本来の『開き直る』です。

 人に質問するときもそう。たぶん「こんなことも知らないのか」とバカにされるのがこわいのでしょう? いいんですよ、バカにしたい人にはバカにさせておけば。質問した相手を見下すような人は、優越感に浸りたいだけの小さな人間だから、それはあなたの問題ではありません。

 そういう人には、あなたが心の中で"見下してもいい自由"をあげておしまいにしましょう。そんなことに気を遣うより、自分で自分の価値を認めることのほうがはるかに大切です。考えてもみてください。自分が認めてもいない自分を、どうして人が認めてくれるでしょうか。

 仕事の世界でなかなか"満点"はもらえなくても、"満足"は得られます。自分が全力を尽くせば満足できるからです。これからはそれを目指しましょう。満足できないときは、力を出し尽くしてないときです。精一杯がんばったなら、その自分を素直に認めることができるはずです。

 自分を認め好きになってはじめて、自分を幸せにするのは他人ではなく、今ここにいる自分なのだということがわかるでしょう。自分が自分をイヤな人間だと感じていたら、けして幸せに生きられません。あなたにしか、あなたの心を解放して幸せにすることはできないのです。

 次に、「心ここにあらず」の状態から脱して自分のことに集中する方法をお伝えします。それは"今"というときから心を飛び跳ねさせないようにすることです。心が過去に飛んだとき「人にどう思われたか」が気になり、心が未来に飛んだとき「人にどう思われるか」が気になり出すんですね。

 気になり出したら、片手でもう片方の手の甲をつねってください。「痛っ!」が「今に戻る」合図。痛いと感じることは、過去でも未来でもなく、今ここでしかできません。そうやって意識を今ここに戻し、目の前のやるべきことに全神経を注ぐのです。

 全神経を今ここに集中できるようになると、満足感や充実感を得られるでしょう。その時間が長くなればなるほど、効率も上がってきます。仕事がおもしろくなるのはそれからですよ。楽しみに励んでください。

ご相談入力コーナー

*)ご入力いただいた方の中から、ご相談内容とカウンセリングメッセージを掲載します。


| ホーム | プロフィール | エッセイ | ねっとカウンセリング | みんなの広場 |
| Booksコーナー | 講演依頼 | お知らせコーナー | ボイス・レター |

Last Updated: 2013/05/17