つらい思いをしてきましたね。自分が取り残されたような気持ちになるのはわかります。先のことを思うと絶望感に負けそうになる気持ちもわかります。でもあなたは、本当は生きたくて、自分にも何かいいことがあるはずだと信じたくて、私に相談したのでしょう。
ふたつのことをあなたに伝えます。私の言葉を信じて、今日、そこから飛び出してください。ひとつ目は、『あなたはほかの人と同じように生きる必要はない』ということ。ふたつ目は、『今できることは無限にある』ということです。
まず『あなたはほかの人と同じように生きる必要はない』について。まわりを見て、自分も月並みな幸せを願い、願うほどあせり、あげく絶望的になっているのだと思います。でも、あなたが最初にしなくてはいけないことは、自分の力に気づくことなのです。
それには自分が好きか得意なことをひとつ選んで、心に抱え込んだものを外に出させてあげることが急務です。それは人に評価してもらわなくていいんです。表す方法が人と全然違ってもいい。今感じていることを好き勝手に表現することに意味があるんです。
それをしてどうなるかとか、余計なことをして人からどう思われるかとか、いっさい考えてはいけません。心の中にあるものを、あなたの感覚でどんな形でもなるべく具体的に示してください。まずは「自由にそれをしていいよ」と自分に許可しましょう。
あなたは、あまりにもいい子でいようとして心が反発した(本当の自分を見られるのがこわくて人から逃げた)のですから、今度こそ、自分の好きにしていいと応援することが大事です。思いきってそれをすると、心が自由を得てきっとラクになりますよ。
8年間、あなたは不甲斐ない自分を責めてきましたね。総決算をするときがきました。その方法は「自分はなんとしんどい道を選んだものかと過去を笑って受け入れ、これまでがんばって生きてきた自分を称える」ことなのです。支え続けてくれた親に対する気持ちも「申しわけない」から「ありがとう」に変えましょう。
人生は"倒れた自分を背負って歩き続ける旅"だと思います。倒れるとは、絶望するということ。いつ、どこで、どんな理由で倒れるかは人によって違うけれど、その人が必死に立ち上がったときが、他人の価値観で生きてきた自分に別れを告げて、自分の価値観で生きはじめるとき。それが、本当の幸せのはじまりなのです。
次に『今できることは無限にある』について。あなたはすでにドアを開けました。犬の散歩は外に出る準備。掃除も、だれかが喜んでくれるからはじめたのでしょう。あなたは知らないうちに、自分以外の存在を助ける方向に意識が向いています。それはとてもいいことです。
自分をあわれんでいるあいだは「私を助けて。だれか癒して」と、人にねだる方向に意識が向いていますが、それだとなかなか思い通りにならないから苦しいんですね。そうではなく、こんな状態でこんなつらいにもかかわらず、だれか(動物でもOK)の役に立つことをやってみる、やり続けるのです。すると、必ず自分の居場所が見つかるから。
何ならできそうですか? 何からはじめますか? むりをせず一歩一歩、できそうなことを根気よく探してください。今は頭の中で先のことを考えるときではありません。一歩一歩進んで、少し笑顔を取り戻した自分に将来のことを考えてもらえばいいんです。今の自分より数段たのもしくなっているから大丈夫! さあ、安心して専念しましょう。