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カウンセリングメッセージ

Vol.01 「幸せに生きるには、どうしたらいい?」

From  愛さん

この頃、自分のことがわからなくなりました。私は普段から他人の立場を考えて行動しています。でもそれが重荷になり、苦痛に感じるようになったんです。だったら考えなければいいのでしょうが、性格なのでそう簡単にはいきません。実は、老いた母親の面倒を私の少ない給料で見ています。家事はしてくれるので感謝していますが、自分の将来について考えると不安で仕方ありません。私には兄と姉がいて、相談すると「お金を貯めて早目に家を出なさい」と言われます。しかし二人とも結婚しているので経済的には頼れません。 27年間生きてきて、自分の幸せを考えてこなかったせいか、今になって「自分の幸せだけを考えたい」と思うようになりました。だけど打開策が見つからず、精神的に参ってしまっています。どうすれば幸せに生きる道が見つかるのか、教えてください!!

 以前のあなたは、他人の立場を考えて行動する自分に満足していたはず。母親の面倒を見ながら感謝して生きる自分にも満足していたはず。そんな心を不安に落とし入れ、そこにあった幸せを奪おうとするものはなんでしょうか? その原因を探りましょう。

 あなたは「幸せ」とはどんな状態だと思っていますか? 幸せの中身は十人十色だから、見た目の暮らしぶりから他人が判断できるものではないんですね。それは、当人がどのくらい「満足」して生きているかどうかで決まるのです。

 あなたを不安にするものは、母親の存在でもなければ、少ない給料でもありませんよ。あなたを苦しめている原因は、あなたの心の中にあります。それは「このままでは人生を変えられないかもしれない」という気持ち、つまり「自信のなさ」です。

 そのことに気づかないまま、母親のせいで身動きが取れないと思い込んで目の前の幸せを否定している。「自分の幸せだけを考えたい」と思うことで、そこにある幸せを自分でぶち壊している……というのが今の状態なんです。

 母親思いのやさしさや責任感の強さは、あなたの大きな魅力です。それを自覚して大切に育んでいけば、きっと思いがけない幸せが手に入ると思います。たとえば今の環境下で、もし素敵な結婚相手が現れたら? もし趣味仲間と楽しい時間を持てるようになったら? そこには笑顔の自分がいませんか?

 そんな未来を手に入れることをけしてあきらめないでください。素敵な結婚相手を得たいと思ったら、現状を理解して応援してくれる恋人と知り合うことが第一です。自ら交流の場に出向きましょう。お母さんも加勢してくれるはずです。また、趣味仲間と楽しいときを過ごせるように、さっそく好きな習い事をはじめて気の合う仲間を作りましょう。

 必要な情報を集め、自分に合う方法を発見し、本気で挑む。それが幸せな人生を切り開く方法です。不満を抱えてただ待っているのではなく、行動を起こしていっぱい刺激を受けてください。泣くようなことが1回あっても、10回愉快に笑えたらいい。そう割り切って進めば、きっと満ち足りて暮らせるようになるから。

 1月のエッセイにも書いたように、なるべく具体的に考えて動くこと。自信は、そんな心に自然に芽生えてくる自分への信頼です。そして幸せは、ハツラツと生きはじめたあなたが人の幸せも願えるようになったとき、ヒタヒタと心に満ちてくるものなのです。

 まず、あなたがハツラツと生きることが重要なわけは、自分が前向きになれないと人の幸せを願う余裕をなくしてしまうからです。人の幸せを願えないままだと、自分が刺激を求めるだけの人生になっていってしまいます。

 刺激は一時的な快楽に過ぎません。幸せは、刺激よりもやすらぎと感謝に包まれる喜びなのです。それは身近な人との関わり合う中で生まれるもの。つまり、自分の大事な人が目の前で苦しんでいたら、自分だけが幸せでいることなんてできないということです。

 これまでの生活を振り返ってみましょう。母親にやすらぎを与えて感謝の気持ちに浸れることは、どんなにうれしくてありがたいことか……。逆にいうと、孤独と心細さに沈む母親を目の当たりにすることは、どんなにつらく悲しいことか……。

 さあ、今から自分ができることをはじめて、お母さんと一緒に幸せを分かち合いましょう。

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Last Updated: 2013/01/17