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カウンセリングメッセージ

Vol.5 「コンプレックス」

From  ゆず茶さん

私の悩みは、人としゃべっているときにみんなが笑うところで笑えないことです。また、人と会話するのが苦手で、「興味なさそうだね」「なんか違う世界にいるみたい」などとよく言われます。そのことがコンプレックスになって、みんなで集まるのが怖くなってしまいました。そんな自分を変えようと長年努めてきましたが、なかなか変われません。私としては、もっと社交的になってみんなと会話を楽しみたいんです。就職についても不安を感じています。アドバイスしてもらえたらうれしいです。

 あなたは知らないうちに"悪循環"にはまり込んでしまったようです。でも、心の中には「もっと社交的になってみんなと会話を楽しみたい」という気持ちがあるので、今あるコンプレックスを乗り越えることはけしてむずかしくないと思います。

 悪循環とは、@『みんなと話しているとき、自分だけ違う世界にいるように思われる』→A『それを指摘されてコンプレックスを感じる』→B『みんなで集まるのが怖くなる』→C『自分がなかなか変われなくて不安が募る』→D『そのことが気になって、また「心ここにあらず」の状態に陥る』……これをくり返しているんです。

 この悪循環から脱しましょう。負の連鎖を断ち切るために@〜Dを全部なんとかしなければいけないというわけではありません。@〜Dのどこか一箇所にメスを入れれば、あとは自動的に変わります。断ち切る箇所はどこでもいいから、自分の意志で変えられる内容を選びましょう。

 今回はAがいいと思います。最初に理解してほしいことは、Dの「心ここにあらず」という状態は、心が「また指摘されたらどうしよう……いやだな」という不安に縛られて、つまりコンプレックスが原因で話に集中できずに生じているということです。

 だからこそ、このコンプレックスをなんとかしましょう。コンプレックスを断ち切る最善の方法は「人より劣っている」という発想をやめること。なぜなら、会話中にみんなが笑うところで笑えないことは少しも悪いことじゃないから。あなたは笑えない人ではなく、笑えるツボが独特なだけなんですよ。それは感性の違い。それを自分の特徴=個性として受け入れ、もっと開き直っちゃいましょう。

 たとえばアーティストと呼ばれる人たちは、独自の感性を大切にして巧みに表現する人たちですよね。あなたもまわりに合わせるより、自分が感じていることを表現するようにがんばってみませんか。もし「興味なさそうだね」と言われたら、「実はこんなこと感じてた」と伝えてみて。そのためにも自分の感覚にしっかり意識を向けて把握しましょう。

 心構えとしては「私は独特の感性の持ち主。それを表現したら引く人もいるかもしれないけれど、おもしろがる人もきっといる」でOK! 人が10人集まれば、10通りの反応があって当たり前。だからもの怖じすることはありません。それよりも重要なことは、あなたが自分の個性の一番の理解者になって、自分を労わることなのです。そうすれば、個性は魅力に変わりますよ。

 もうひとつ、あなたの感性にビビッと響く人は必ずどこかにいるし、快適な環境も必ずどこかにあります。そんな人や環境にいつか出会えることを信じましょう。そんな出会いをうっかり見逃さないように、普段からよくまわりを観察しておくんです。

 就職に関してもまったく同じ。「みんなと同じように」とか「みんなと同じでなくてはいけない」という発想はやめましょう。「自分がイキイキできる職場を絶対に見つける!」という信念で行動することが大事です。

 あなたがこれからの自分にさせてあげたいと思うことはなんですか? 親しくなりたいと思うのはどんな人たち? そこから物事を考えて動くようにしましょう。自分を幸せにする心の循環を、これからは自分の意志で選んで生きていってくださいね。

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Last Updated: 2012/05/17