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カウンセリングメッセージ

Vol.4 「弱い自分をなんとかしたい」

From  シロップさん

家庭の事情でシングルマザーになり、働きはじめて4ヶ月ほど経ちます。仕事の覚えも悪く、まわりの人たちに自分はどう思われているんだろうか……とよく考えてしまいます。職場には、私と人間関係がうまくいってない人もいます。毎朝仕事に行くとき、そのことを思うとドキドキしてしまい、胃が気持ち悪くなって胃薬を飲んで出勤しています。「人間としても、親としても、私はとても弱いな」とものすごく感じます。もっとしっかりして、もっと気楽に、子どもと楽しく生きたいです。どうしたら良いでしょうか? アドバイスをよろしくお願いします。

 想像してみましょう。あなたの目の前に幼い子どもがいます。その子は要領が悪くて、友だちもうまく作れずに元気がありません。その子に向かって「どうしてそんなに弱いの!」と怒りますか? 怒れば理想的に動くと思いますか? いいえ、逆に萎縮させて、劣等感を植え付けてしまうでしょう。

 あなたが自分に対してしていることは、これと同じかもしれませんよ。今抱いている自分の理想は、いつのまにか他人から刷り込まれたものです。あなたはそれに振り回されて自分は弱くてダメだと思い込み、自分のよさやプラス要素に目もくれていません。

 シングルマザーであることも、仕事の覚えが悪いことも、人間関係で苦労していることも、それらはすべて「今そういう立場にいる自分が、一番大切にしなくちゃいけないことがあります」というサインです。引け目や負い目を感じる必要はまったくないんです。それに気づいて大切なことを心がけたら、もっと楽しく生きられるでしょう。

 こんなふうに考えてみて。シングルマザーであることは「子どもにふたり分の愛を注ぎなさい」というサイン。仕事の覚えが悪いことは「人の2倍、一生懸命働きなさい」というサイン。人間関係がうまくいかない人がいることは「その人が自分を嫌うことを許してあげなさい」というサインなんだって。

 あなたの心を苦しめているものは「弱さ」ではなく、「こんな自分じゃダメ。このままではいけない」という思い込みなんです。それを改めれば、今の状況から抜け出すことは少しもむずかしくありません。

 子どもにふたり分の愛を注げば、それを受けとめる子どもも、あなた自身も、ずっと心が満たされるでしょう。人の2倍働けば、きっとその努力を買われるでしょう。自分を嫌ってもいいと人に許せば、あなたの心が恐れから解放されてもっと堂々としていられるようになるでしょう。

「まわりの人たちに自分はどう思われているのか」が気になることについては、あなたがどんなに気を回しても、人はいつも勝手に思いたいように思います。人の気分や価値観はたえず揺れ動くし、はじめから思うようにはならないものなんです。だから、もうそんなことで一喜一憂するのはやめませんか。

 それより、はるかに重要なことを忘れないで。あなたには、愛すべき子どもと働ける健康な体があります。さらには、自らの成長を願ってやまない"本来のあなた"がそっと見守っています。感謝を持ってそれに応えましょう。

 あなたは「弱い」のではなく、ちょっと「弱気」になっていただけなんです。でも、もう大丈夫。これからは、感謝の心と自他を慈しむ愛をなくさないようにして、大切なことをしっかり心に刻んで生きていってください。

 子どもは、7歳までは"見えないへその緒"で母親とつながっているといいます。胎児のとき母親の栄養を受け取ったように、見えないへその緒を通して母親の不安や痛みを感じ取るんですね。それは言葉を介さないのでごまかせません。

 だから、自分を幸せにしない思い込みは一日も早く捨てて、心にやすらぎを取り戻しましょう。それが、母親であるあなたが我が子に送る最大の贈り物なんですよ。

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Last Updated: 2012/04/17