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カウンセリングメッセージ

Vol.09 「自分勝手な私」

From ネコさん

高校生のとき、人間関係で悩んで自分が分からなくなって、心身ともに疲れ果ててしまいました。当時は、精神状態がかなり不安定で自分を大嫌いだったので、とにかく死ぬことしか考えていませんでした。そんなときに宇佐美先生の本に出会い、自分を好きになろうと決心して「自分を縛らない」ことに決めたんです。それから月日が経って大学生になり、今は自分を縛らずにずっとしたかった部活動をしています。毎日が楽しいのですが、自分を解放しすぎなのか(?) 些細なことに怒りやすくなって、相手の立場にたって考えたり動いたりしていないように感じます。母親に手を上げて泣かせてしまったことも、自分の都合で勝手にバイトを休んで人に迷惑をかけてしまったこともあります。私は自分に都合のいいときだけ人に頼る最低な人間なんだな……と思うと、また自分を嫌いになってしまいそうで怖いです。どうすれば、自分を好きな気持ちを持ち続けることができますか?

 私の本を心の杖にしてくれてありがとう。自分を好きになって楽しく生きられるようになったということは、あなたは本当にがんばったんですね。みんな本を読んで一念発起はするものの、継続がむずかしいんです。心に沁みた言葉を自分の血と肉にするためには、強い信念と努力が必要になるからです。

 あなたは次の成長段階にさしかかりました。それに気がつくように「このままだとまた自分を嫌いになりそう」という気持ちが生まれたんですよ。ここでしっかり前に進んで、わがままな人間で終わらないようにしましょう。

 第1段階は「自分を好きになる」でしたが、次の段階は「身近な人を好きになる」。これを実行すればまわりと仲良くやっていけるようになります。そう言われても嫌いな人もいるし……と戸惑いますか? では表現を変えましょう。「自分を好きになる」は「自分を幸せにする」、「身近な人を好きになる」は「身近な人を幸せにする」と同じです。

 あなたは自分を好きになるために、心を縛らないという選択をしましたね。その結果、前よりも幸せになりました。今度はどうやって身近な人を幸せにするかを考えましょう。一瞬でもいいから、どんな小さなことでもいいから、何か喜ばせることを考えて実行すればいいんです。

 ここでも継続が重要なので、ムリや背伸びをする必要はありません。『自分だったら、相手にどんな態度を取られたらうれしいだろう?』と想像して、あなたが毎日幸せな気分でできそうなことをできるだけ多くやりましょう。

 私からは3つのことを提案します。これは最初にぜひ実行してほしい項目です。@笑顔 Aほめ言葉 B手助け――具体的には、@ニコッと笑顔で自分から挨拶する。A相手のいいところを言葉にして伝える。B「私に何か手伝えることない?」と尋ねてみる。(特に手伝ってほしいことがなくても、そんなふうに声をかけられればうれしいもの。何かリクエストされたら、少しでも相手を幸せにするために喜んでやりましょう。)

 ここでの注意点は、けして見返りを求めてやらない、ということです。相手が喜んでいることを肌で感じれば、それは自然にあなたの喜びになっていくはず。だから、あなたの好意はあくまでも"あげっぱなし"にしておいてくださいね。

 あなたはいずれ第2段階をクリアする人だと思うので、この機会に成長の第3(最終)段階についても話しておきます。第2段階は「身近な人を好きになる」でした。第3段階は「知らない人も好きになる」です。つまり、広く人々の幸せを願う自分、人々をこよなく愛する自分になることを目指します。

 これは、自分を好きでもない人や、身近な人が幸せでも不幸せでも気にならないという人にはできないことです。心から人々の幸せを願い、そのために自分を役立たせたいと思って懸命に励むことは、人間としてもっとも深い喜びを得る道なのです。またそれが、その人に"真の生きがい"をもたらすのです。

 これからは、「好き」という気持ちを「与える心」にまで大きく育てましょう。あなたが秘め持っている愛をつまらないエゴで縛りつけず、与える心として解き放ってください。それを、身近な人の幸せを自分の幸せとして受けとめることからはじめましょう。

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Last Updated: 2011/09/17