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カウンセリングメッセージ

Vol.08 「失敗が怖い」

From まみさん

失敗するのが怖くてたまりません。バイトも、興味のあるボランティアも、うまくいかないことを想像してしまい、はじめるのがすごく怖いです。今までやってきたことに関しても、うまくいかないことばかりが目について「自分って何でこんなにダメなんだろう」と落ち込んでしまいます。頭では「失敗は成長するチャンス!」と理解しようとしているのですが、体がついてこず、失敗に拒絶反応を示していつもビクビクしています。すごくつらいです。失敗を怖がらないためには、具体的にどうしたらいいのでしょうか? いろいろなことを経験することが大事ですか?

 失敗を恐れる気持ちはだれの中にもあると思います。それは過去に、何かに挑んで失敗して、みじめさや挫折感を味わった体験があるためです。もしだれもが同じような体験をするとしたら、そのあとの違いはどこから生まれるのでしょうか。

 答えは「うまくいかなかった体験をどうとらえたか」。「失敗=最悪」と思い込んだかどうかによります。あなたが「失敗は成長するチャンス」と理解しようとしても拒絶反応を示してしまうのは、それよりも強く「失敗は悪だ」と思い込んでいるせいでしょう。

 幼少時代に、たとえば親から「失敗しないようにね!」と言われ、「また失敗したの!」と叱られながら育った場合、【失敗は悪いこと】→【失敗してはいけない】→【失敗する自分は許せない】という構図が心にできあがります。するとどうしても、失敗するくらいなら最初からやめておこうと思いやすくなるんですね。

 実は、私もそのひとりでした。その経験を踏まえてふたつの提案をします。ひとつは、「大人になった自分を育てるのは自分!」と肝に銘じて、「失敗してもいいよ、精一杯やることに最大の価値があるんだよ」としっかり自分に言い聞かせること。

 もうひとつは、自分にもっとやさしくなる(いっぱい愛を注ぐ)必要があるので、「これまでよくがんばったよ、どんな結果になっても絶対に自分を見捨てないから安心して」とよく言い聞かせること。

 このふたつをあなた流の言葉で毎日自分に浴びせれば、自分を否定する気持ちを、きっと応援する気持ちに変えていけますよ。そうなったとき、「失敗は、成功するまであきらめない気持ちを育てる体験なんだ」ということがわかると思います。

 赤ちゃんは何度歩行に失敗して転んでも、喜々として立ち上がってチャレンジし続けますよね。失敗しても自分をダメなやつと思わないし、そのことで不幸になったりしません。これが本来のあなたなのです。人間には、もともと向上心という成長する力が備わっているのです。

 あなたの中で、これまで抑えつけてきた向上心がムズムズしているはずですよ。自分が成長していかないことには人生はおもしろくなりません。かといって、やる以上は成功を…とあせる必要はないので、まずは自分の好きなことを無我夢中でやってみましょう。

 精一杯やってみたけどうまくいかなかったら、「わかった。今は成功するまであきらめない気持ちを育てる必要があるんだね」と軽やかに受け止めることです。はじめから何もかもうまくいったら、私たちは自分を育てることができません。どんな結果も受け入れてあれこれ工夫することで、心と頭脳が育っていくのです。

 何でもやる前から"うまくいかない想像"をする赤ちゃんがいないように、あなたのうまくいかない想像をするクセは後天的なものです。だから変えられます。今すぐ"うまくいく想像"をすることはむずかしいとしたら、こう考えませんか。

「好きなことをやってみるチャンスを自分から奪わない!」「何だってやってみなければわからない、何度でもやってみるうちにうまくいく!」この心意気でいきましょう。これが自分を愛する大切な一歩だからです。

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Last Updated: 2011/08/17