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カウンセリングメッセージ

Vol.07 「年を重ねてからの美しさについて」

From ちぃさん

私は30歳になる未婚のOLです。10代のころは太めで地味だったせいか、男の人から恋愛対象に見られなかったり、バカにされたりして、そのことがトラウマになりました。それで20代は外見ばかり磨いてきました。でも今、30代を目前にしてとても後悔しています。なぜなら、このところ体型の崩れを痛感し、容姿の衰えにショックを受けているからです。私はこれまで内面を磨くことを怠ってきたので、内面に何も積み重ねてきたモノが思い当たらず、今後何を心の支えに生きていったらいいのかわからなくなってしまったのです。恋人もいません。いったい「年を重ねてからの美しさ」とはどのようなものなのでしょうか? ぜひ宇佐美先生のご意見を伺いたくてメールしました。

 29歳で容姿の衰えを憂いているなんて……ただ今50代を生きている私には微笑ましい限りですが、私も20代のころを振り返ってみると、盛んに外見を気にして、よりよく見せるためにずいぶん時間とお金をつぎ込んでいたように思います。

 そのうち加齢による焦りや不安も加わって……。でも、加齢と戦ったところで勝ち目はありませんから、どんなにがんばっても私の中から不安やコンプレックスが消えることはありませんでした。今回はそんな私の体験談からお話しましょう。

 私は30代の後半に「衰えを嘆き出したらキリがない。自分が苦しくなるだけだ」と思って、それより自分はどんな40代になりたいかを考えるようになりました。その視点から年上の女性を眺めてみると、素敵だなと感じるのは"心がチャーミングな人"。それは、人間としての魅力をたたえた女性でした。

 逆に、外見がどんなに若々しくても、内面が未熟で成長が伴ってない人は、若く見せるためにがんばっている姿さえもあさましく映ると感じました。では、心がチャーミングな人とはどういう人を言うのでしょうか。3つあげると――。
@ その年齢の自分を謳歌している。つまり、移ろいゆく人生を楽しんでいる人。
A 経験によって得たものを惜しみなく与える。つまり、包容力があって慈悲深い人。
B 年輪(表情)が輝いている。つまり、ワクワクするものを持っている人。

 そんな人に出会うと「なんて魅力的なの!」とドキドキしました。シワやタルミがまったくマイナス要素にならず、内面からほとばしる美しさが全体を覆っています。その人のそばにいると気持ちよくなって、「私もそうなりたい!」と心の底から思いました。

 あなたも、たぶんそんな意識の変わり目を迎えたんですよ。これからは内面も磨いて心身ともにチャーミングになってください。最初に、今の歳(30歳なら30歳)の自分をうんと楽しもうと決めるんです。それから「生きる姿勢」を改めましょう。

 普通、外見を磨こう(美貌や若々しさを得よう)という場合は、体にいいものを付け加えていく"足し算"をします。でも、内面を磨こう(軽やかさや包容力を養おう)という場合は、心にある重たいものを取り除いていく"引き算"をします。

 具体的には、恐れや執着といった、あなたが大人になるまでに身につけたネガティブな感情を減らす。すると、結果として軽やかさや包容力が自然に現れてきます。恐れや執着は我欲の裏返しですから、余計な欲を減らすことに努めてください。

 この引き算をスムーズにするコツは、今目の前にあるものや自分を「満喫する」こと。あなたにも10代があったように、若さはそれぞれの人に平等に与えられたものです。自分がすでに享受した若さには執着せず、今身にあるものと、これから得られる無形の美しさに意識を向けましょう。

 それを楽しんでできるとイキイキしてきます。仕事や遊びの場面では、そこにある喜びを見つけて満喫するようにし、その喜びを分かち合える仲間を増やしましょう。その意味で、仲間選びは大事です。選ぶ基準はコレ。

 その人の話す内容が「過去に執着して今をぼやく話題」が多いか、それとも「未来の希望や夢の実現に向けた話題」が多いか。ぜひ、信念と目標を持って、今をハツラツと生きている人と付き合ってください。これはパートナーを選ぶときにも重要なポイントです。

 そして、あなた自身もそういう人になりましょう。そうすれば、きっといい仲間と恋人に恵まれて心豊かに生きていけると思います。

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Last Updated: 2011/07/17