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カウンセリングメッセージ

Vol.06 「人の幸せを聞くとイライラする自分」

From 幸子さん

最近、人の幸せにイライラするようになりました。一番仲良しの友だちが、彼氏と付き合って一年になるので温泉旅行に行くという話をしたときも、初めは「いいなぁ」とか「楽しみだね」と言いながら聞いていたんですが、だんだんうらやましい気持ちが大きくなってイライラしてしまいました。こんな自分がいやで性格悪いなって思う反面、その友だちといっそ縁を切った方がいいのかな?とも考えてしまいます。というのは、イライラするのはその子に対してだけなんです。一番仲良しでずっと一緒に歩いてきて、今は職場まで一緒になりました。そんな親しい相手にイライラするなんて最低だと思います。でも、なぜかその子に対しては、ライバル心というか、負けたくないという気持ちが湧いてくるんです。どうしたらこんなふうに思わなくなりますか? やはり、一緒にいることを避けるべきなのでしょうか?

「うらやましい」が、いつのまにか「妬ましい」という気持ちになってイライラすることはよくあります。しかもそれは親しい間柄、特に友人、同僚、兄弟姉妹といった身近な人に対して起こりやすいんですね。環境や状況が似ている分だけ自分と比べやすく、「なぜ私は違うの?」という気持ちに陥りやすいためだです。

 でもあなたが、人の幸せにイライラする自分に気づいたということは、自分が本当に求めているものに気づくいい機会を得たということです。したがって今大事なことはいやな感情をしっかり見据えることであって、その感情(友だち)から逃れようとすることではありません。縁を切ることを考えるのはまちがいだと思います。

 理由は、問題は相手の中にあるのではなく、あなたの中にあるからです。自分自身の心の問題を解決することを考えましょう。まずは、自分が一番の仲良しに嫉妬してしまうことを素直に認める。そんな自分をいやがらず、否定せず、その感情を受け入れる(見据える)ことが第一歩です。

 次の一歩は、お互いの状況がどんなに似通っていても、人はそれぞれ違った人生を歩いているということを再認識する。それぞれの違いに違和感を抱くのではなく、違いを進んで(おもしろがって)受け入れることにもっと真剣になりましょう。

 つまり、友だちが「幸せ」を感じているときにあなたは「妬み」を感じたっていいんです。なぜなら、妬みという感情は超えることに意味があって、それをやり遂げればあなたはもっと幸せになれるから。あなたは胸の奥で「相手の幸せを自分のことのように喜べる人間になりたい」と願っているからこそ、その体験を引き寄せたんですよ。

 それに気づかず現実から目を背ければ、この先もずっと妬む気持ちに悩まされるでしょう。でも、あなたはもう気づいたから大丈夫。今後は「うらやましい」と思ったとき、どうすれば素直に「私もがんばろっ」という気持ちになれるかを考えましょう。

 心の中を見てみてください。「自分のことを評価してない」あなたがいませんか?「幸せになれると信じてない」あなたがいませんか? もしYESだったら、自分には幸せをつかむ力や魅力がないのでは…と不安なのかもしれません。その不安を取り除きましょう。

 明言しますが、友だちに負けない自分に価値があるのではありません。だれとも比べる必要がない自分に価値があるのです。だから"自分なりの幸せ"を目指してください。またそれが手に入ることを信じること。疑うことにエネルギーを費やしてはいけません。

 私たちは、ネガティブな感情が湧き起こることは止められなくても、それをポジティブな感情に置き換えることならばいつでもできます。それが心の強さであり、それをマスターすることが、人生を前向きにして"自分なりの幸せ"を手に入れる方法だと思います。

 イライラしたら、背後にある不安を見据えて、それがポジティブな感情に置き換わって勇気が湧いてくるまで自分との対話を続けましょう。すると何か"気づき"がもたらされるはず。気づきを実行に移せば、そのたびに心は強くなっていきます。

 私が気づいたアイデアのひとつを紹介しましょう。妬みは、明るく吐露すれば消滅してしまいます。今度妬みが頭をもたげたら、友だちに「うらやましいを通り越して妬ましい」と告白しちゃうんです。そのあとに「私もがんばろっ」と付け足せばOK! 友だちもきっと笑って応援してくれるようになりますよ。

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Last Updated: 2011/06/17