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カウンセリングメッセージ

Vol.08 「自分を愛し、癒す術がわかりません。」

From プルメリアさん

満面の笑顔で甘える赤ちゃんと愛しそうに可愛がるお母さん…。母子の温もりを目にすると、微笑ましい反面、私には得られなかったという悲しみがこみあげます。私の母は自分の親とうまくいかず、そのことでよく私に愚痴をこぼしました。夫婦仲も悪く、「子供なんかほしくなかった」と言われたこともあります。両親は離婚し、母は統合失調症になりました。入退院をくり返して今は外来通院で生活できるくらいになりましたが、私の14才〜26才くらいまでの生活は、母の看病と心配が頭から離れず、家事のかたわら学校や仕事に行くだけで精一杯でした。心身ともに休まることはほとんどありませんでした。28才になってやっと自分のことを考えられるようになり、結婚もしたいし子供もほしいと思うのですが、悲しみや寂しさで心に穴があいたような自分では幸せになれない、結婚相手や子供を幸せにすることもできないんじゃないか、と考えてしまいます。どうすれば自分を癒して悲しみを解消することができるでしょうか?

 これまでよくがんばってきましたね。自分を愛して癒す術がわからないと訴えるあなたが、はたしてこのままの自分で幸せになれるだろうかと戸惑う気持ちはわかります。でも、人生には意味のない体験はひとつもありません。

 すべての物事は、原因があって結果が生まれています。だから目の前にある原因を変えれば、現在の延長とは違う結果が手に入ります。それをお母さん自身があなたに見せてくれているように感じます。

 一般に、親の愛を十分に受けてこなかった人は、自分が親になっても子供をうまく愛せないと言われますが、それは子供を愛していないというより、子供にどうやって愛を伝えたらいいのか体験的にわからないという意味だと思います。

 お母さんもそのひとりだったのではないでしょうか。そうした戸惑いや胸の痛み、環境への不満を克服しようとせず、感情に振りまわされて生きてしまえば、その結果はすべて"自分の苦しみ"となって返ってきます。

 自分の不幸を環境のせいにしているあいだ、私たちは人生の苦悩から解放されることはないのです。それをずっと見て育ったあなたが、家族を持つことに不安を覚えるのはやむを得ないことかもしれません。しかし、あなたは今『原因を変えればいい』ことを知りました。

 お母さんとは違うあなた独自のレールを人生に敷きましょう。親子として温もりのある関係がなかったと感じているのなら、その体験をなぞるのではなく、その体験を恨めしく思うのではなく、その体験からたくさん学ぶことです。

 まずは、このまま過去の体験に引きずられて暗い感情に流されないようにしましょう。もっと積極的に、温もりのある関係を目指して動きはじめましょう。そうやって人生に「新たな原因を作る=独自のレールを敷く」ことを今後の目標にすれば、結果は必ずついてきますよ。

 このままのあなたでは幸せになれないのではなく、逆に、悲しみや寂しさを味わった体験を生かして「自分とかかわった人にはそんな想いをさせない」と決意すれば幸せになれるのです。未来の家族と接する以前に、今まわりにいる人たちと温もりに満ちた言葉と態度で接することのできる自分になりましょう。

 お付き合いする人を決めるときにも、過去にフタをしていい顔する必要はありません。とても傷ついてきたあなたの気持ちを理解して、手に手を取って一緒に幸せな関係を作り上げようという心根のある人を選ぶようにしてください。

 悲しみや寂しさで心にあいた穴を、愛で埋めてくれるのが真のパートナーです。今はまだ自分のことを愛せずにいるかもしれませんが、それは過去の自分を愛せないでいるからだと思います。心からだれかを愛するようになれば、その人と歩む人生も、その人に愛されている自分も、愛さずにはいられなくなるはず。

 だから安心して、パートナーや子供を幸せにすることをこれからの自分の夢にしましょう。夢は満たすためにあります。夢を満たすためにがんばるから、希望に燃えて生きていくから、いつの日かきっと叶えられるのです。

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Last Updated: 2010/08/17