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カウンセリングメッセージ

Vol.07 「過去を過去にする方法」

From ふーちゃんさん

学生時代にいじめに合いました。それからずっとまわりの状況に流されるように"生きている時間を消化するだけの生活"を続けています。30歳を越えて、あのときの同級生が家族を作ったりマイホームを建てたりするのを見聞きすると、人生にそれなりの苦悩はあっても「生きている」という実感があるように見えて、苦悩さえも羨ましく感じます。「それぞれが大人の階段を上っているのに、私はいつまでここにいるのだろうか?」「あのとき逃げずにいじめに立ち向かっていれば、もっと違った人生だったのでは…」と過去を後悔しても仕方ないと重々承知していても気持ちがリピートします。何年間も息を潜め「時期がきたら私の番だ!」と思って堪えてきましたが、内心では自分から動かなきゃ何も変わらないことはわかっています。学生時代に楽な方へ逃げたことの尻拭いを、大人になった自分がしないと前に進めないんだと思います。つらかった過去を断ち切る方法と、嫌いだった同級生の現在を見ても心が波立たない心の持ち方を教えてください。

 断ち切りたいと思う過去があるのなら、それをもう一度しっかり受けとめる。そうすれば断ち切れますよ。つまり、目をそむけたくなるようなつらい体験をした自分を、否定したり責めたりせずに「許して受け入れる」ことが過去を断ち切る唯一の方法なのです。

 許して受け入れることは、決して"尻拭い"ではありません。そんな言葉が出るのは、過去の自分を否定している証拠だと思います。否定すれば必ず自分を責め、自分を責めれば当然ひがみっぽくなります。あなたが同級生を妬んで取り残されたような気分を味わっているのはそのためです。

 ここで気がつきませんか? 今自分をいじめているのは大人になった自分だということに。「自分から動かなきゃ何も変わらない」のは事実ですが、その前にあなたがするべきことは、自分をいじめることではなく「自分を許す」ことなのです。

 あなたの人生に、なかったほうがよかった過去は1ページもありません。そこに立って体験の意味を考えてみましょう。人生にあるのは必要なことを学ぶための体験です。今日までの一連の出来事を振り返って改めて学ぶべきことがあるとしたら、それは何だと思いますか?

 かつて逃げた自分は未熟な自分だったかもしれないけど、そのときはそうするしかなかったのだから、後悔することはありません。大人になった今の自分が、過去の自分の未熟さや弱さを受け入れて"心の糧"にすることが一番大切だと思います。

 心の糧は"成長のきっかけ"という意味です。成長のきっかけをつかむのに、遅すぎることは全然ありません。あなたには長い時間をかけて気づくべき"大事なこと"があるのです。それをもっと必死になって探してください。

 大事なこととは、あなたがそれを実践すれば今よりも幸せになれることです。それを続ければ、もっと自分を好きになれることです。それを「私は〜しない」から「私は〜する」という形に書き換えて今後の目標にしましょう。

 たとえばそれは、「私は後悔しない」から「私は新たな行動を起こす」。もしくは「私は自分を責めない」から「私は自分を徹底的に応援する」といったことかもしれません。

 あなたの文面からは、このままでは終わらないという魂の叫びのようなものが伝わってきます。現にあなたは何年間も息を潜め「時期がきたら私の番だ!」と思って耐えてきました。今日まで耐えてきた自分をねぎらってあげましょう。そして今日まで生き延びてこられたことに感謝しましょう。

 その時期は、あなたが苦しみ抜いて"大事なこと"を見つけたとき、自分を許して殻を打ち破りたくなったとき、それは今だと思います。過去の自分や家族のせいにして、いつまでも魂の叫びを封じ込めておかないでください。

 さあ、あなたが求めてやまない"生きているという実感"を取り戻しましょう。あなたの内側が変われば、自動的に外側の世界にも変化が生じます。多少の時差はあっても、あなたが新たに放ったものが形になって現れてきます。

 仕事をするにしても、何をはじめるにしても、できそうにないからやらないのではなく、できるかもしれないからやってみるのです。そのことをあなたの魂は待ち望んでいます。

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Last Updated: 2010/07/17