あなたのように何でも悪いほうへ考えてしまい、考え過ぎて行動に移せないことを悩んでいる人は大勢いると思います。どんなことも、する前から悪い結果を想定すれば、行動に移したくなくなるのは当たり前です。それが閉塞感を生んでいるんですよ。
自分のことを「小さいころから内気でビビリ屋」と思っているようですが、生まれたときから内気でビビリ屋の赤ちゃんはいませんよね? たぶん、あなたは恐れを知らない幼いときに「自分を出してものすごく傷ついた」体験をしたのでしょう。
それが何に関してで、何度そんなつらい思いをしたのかわかりませんが、その後あなたは「自分を出さないほうがいい」「失敗するくらいならやめておいたほうがいい」と考えるようになりました。
そのときは自分を守るために考えたことが、いつのまにか思考回路にはめこまれ、悲観的にしか物事を見られず行動できない自分を作っていきました。その結果、『自分が本当にほしいものが手に入らなくなってしまった』のです。
思考のクセは、大切だと思うことにより強く現れます。お見合いをすべて断ったのも「結婚に失敗したらどうしよう」と恐れるあまり、深層では「結婚しなければいい」と思っているせいなんですね。でも、それに気づかない頭は「妥協したくない」とか「縁がない」という理由を持ち出して自分を正当化しようとします。これが今のあなたのようすです。
自分のエネルギーを"失敗を恐れず行動する"ことに使わないで、"失敗を避けて何もしない"ことに使っていたら、人生が行き詰るのは当然です。失敗したっていいんですよ。人生で失敗ほど貴重な体験はないと思います。
そこで、ポジティブに考える方法としてあなたに提案するのは『失敗のススメ』です。意外ですか? 物事を進められないのは「失敗する自分は許せない」という気持ちがあなたの中にあるから。悪いほうへ悪い方へ考えるのも、失敗しないための予防線なんです。
まずは、この思考のクセを「変える!」という意志を強く持つことがとても重要です。そして新たな行動を起こすために「失敗することを自分に許す。私はもう逃げない!」と腹をくくりましょう。
子どものときからそうであるように、私たちは失敗しながら物事を覚えていきます。ご飯をこぼさないで食べることも、他人を怒らせないことも、自分を傷つけないことも…。一生懸命やったけれどうまくいかなかったときが、成長のチャンスなのです。だから「失敗は"悪"じゃない。ひとまわり大きくなる絶好の機会だ!」と自分によく言い聞かせてください。
人生でたびたび味わう"痛みをともなう体験"は、そこから学ぼうとしたとき「かけがえのない体験」に変わりますが、それをなげいているあいだは「苦しいだけの体験」になります。あなたが今味わっているのは"痛みをともなう体験"にほかなりません。そこから何を学んで立ち上がりますか?
答えのひとつを言いましょう。それは「一度しかない人生で、いろんなことをやってみるチャンスを自分で奪わない」ということ。あなたに、アメリカの作家、マーク・トウェインの言葉を贈りましょう。胸に刻んでしっかり励んでくださいね。
―― 20年後、あなたは、やったことよりやらなかったことに失望する ――