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カウンセリングメッセージ

Vol.04 「手放さないとならないのに手放せない」

From にゃんこさん

私は小さい頃から愛情に飢えていて、そのまま大人になりました。結婚してからも、主人の愛情を感じていたくて主人を束縛し、支配してきました。主人はずっと我慢していたようです。ですが、やはり我慢の限界がきてしまい、私から気持ちが離れて別の女性のところに行ってしまいました。私は自分のしてきたことをとても後悔しています。でも、許してもらうのは難しいようです。今の自分が主人に対してできることは、今まで一緒にいてくれたことに感謝することだけなのですが、その一方で、主人を失ってしまう恐怖に胸が押しつぶされそうになります。毎日、心が「手放す・手放せない」のあいだを行ったり来たりして、つらくてたまりません。どうすればいいのかアドバイスをお願いします。

 あなたはつらい体験を通して、自分のことがよく見えるようになったんですね。それだけでも、ご主人はあなたを成長させて次の段階に進ませる役目を果たしてくれたと言えるのではないでしょうか。

 そばで自分を支えてくれた人がいなくなれば、大きな喪失感を感じるのはやむを得ないと思います。その喪失感と寂しさがこの先も続くと思えば、恐怖で胸が押しつぶされそうになる気持ちもわかります。

 でも、今あなたが受け入れなければならないのは『因果応報』という宇宙法則かもしれません。物事にはすべて原因があり、自分が作った『因』の結果を自身が受け取るようになっているのです。これは普遍の法則です。あなたが本当に反省して違う『因』を作りはじめれば、必ず違う『果』を受け取ることができるでしょう。

 たとえば、ご主人に対して「今度は幸せになってね」と陰で本気で祈れるようになったなら、相手の幸せを願う心が、あなたの幸せを願う人たちを引き寄せるようになります。もしかしたらご主人が「今度こそ二人で幸せになろう」と言ってくれる可能性もゼロではありません。

 それとは逆に、ご主人を逆恨みして「うまくいかなければいい」と陰で願うようなことがあれば、あなたはいつまでもドロドロとした思いにとらわれ、幸せから置き去りにされてしまうでしょう。

 心が「手放す・手放せない」のあいだを行ったり来たりしてつらいと書いてありますが、あなたが手放すべきは"ご主人"ではなく、あなた自身の"所有欲"です。それを手放したとき、今ある苦しみから解かれて次の段階に進むことができるでしょう。

 次の段階とは、幸せの本質を知る段階です。幸せは形ではありません。相手を束縛したり、毎日こう言ってとルールを決めたりすることは、すべて自己満足です。相手がいやがることを押し付けて平気な人は、どんなに好きでも愛があるとは言えないのです。

 それは自分に対しても同じですよ。ずっと愛情に飢えていたと言うあなたは、おそらく自分に自信が持てないまま、「私には愛される魅力がないに違いない」「愛されるに値しない人間かもしれない」という恐れと戦ってきたんだと思います。

 するとどうしても、自分を愛せない反動から、自分に愛をくれそうな人を丸ごと取り込もうとして「こんなに好きなんだからもっと私を愛して」「何でも私の言うことをきいて」と理不尽な要求をするようになってしまうんですね。

 愛とは、自分の人生に与えられた貴重な時間を、他の人に幸せと安心をあげるために使いたいと願う純粋な気持ちです。愛するとは、立場を理解して、心から応援してあげること。まずは自分を、そんなふうに愛してあげてください。

 悶々と悩んでいないで、今まさに苦境を乗り越えようとしている自分を必死に応援するんです。最善の道は、自分に与えられた時間と労力を自分以外の人を喜ばせるために使うこと。何か人の役に立つことを考えて動きはじめましょう。働くのなら、ぜひそんな気持ちで取り組みましょう。

 最初はつらくても、自分の弱さやずるさに負けないで身を粉にして動き回るうちに、きっとあなたの身にいいことが起こるから。人の幸せを願って時間と労力を差し出したことが『因』となり、あなたは新たな生きがいという『果』を手に入れるでしょう。

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Last Updated: 2010/04/17