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カウンセリングメッセージ

Vol.11 「赤面症で苦しんでいます。」

From Nさん

いつも先生の言葉に励まされています。そこで思い切って相談します。 私は30歳を越えていますが、赤面症でもう15年以上苦しんでいます。自分の意思とは関係なく赤くなるので、そのたびに恥ずかしい思いをして深く傷つき、自分を責め、激しい失望感や敗北感に襲われます。私は特に男女の話、ほんとにちょっとした下ネタを聞いても赤面してしまうのです。他の人にとってはなんてことのない話題に反応して赤くなる自分がいやで、いつも身構えているので疲れます。「そういう話題が出たら、また真っ赤になって馬鹿にされる」と思うと怖くてしょうがありません。たぶん他の人は、私がこれほど激しい敗北感を味わっていることは知らないと思います。きっかけはなんだったのかもう覚えていませんが、仕事を初め、どんなことにも集中できずに困っています。どうやったらこの状況から抜け出せますか?

 私も小学生のとき、赤面症でずいぶんつらい思いをしました。私の場合は、授業中に当てられて答えられなかったり、人前で本を読み違えたりして恥をかくと、たちまち真っ赤になり、耳までほてって頭がボーッとするほど血がのぼるのがわかりました。

 でも、幸い赤面症を憎まずにすんだのは、友だちに恐る恐る「私ってすぐ真っ赤になってみっともないでしょ?」と尋ねたとき、「真っ赤になった顔、かわいいよ」という答えが返ってきたからです。それで赤くなる自分を受け入れることができました。

 受け入れることができれば、症状は起こらなくなります。逆に憎めば、つまり「いやだいやだ」と強く思って意識すれば、それは簡単に呼び出されるようになるのです。

 あなたの場合は"男女の話"が引き金のようですが、それは思春期に「恥ずかしい」という感情を刷り込まれるような体験、たとえば「からかわれる」とか「笑われる」といったことがあって激しいコンプレックスを持ったためかと思われます。

 それが根本原因で、赤くなるのは二次的なことなのに、あなたは赤くなることを恥じて憎みはじめたので、いつも他人に怯えてひどく警戒するようになりました。それが悪循環を招く結果となり、たえずそういう状態の自分を強くイメージして、現実に引き寄せるようになってしまったのです。

 あなたの人生の主人公はあなたです。自分の意思で、体も未来も動いています。他人が "男女の話"を持ち出すたびに敗北感を味わっていたらたまらないでしょう。でも、だれもあなたを馬鹿にしてはいませんよ。あなたを馬鹿にしているのはあなた自身です。そのせいでそう感じるんです。

 赤面することよりも、"男女の話"を忌み嫌っている心のほうを解放してあげましょう。もしかしたら、本当は性に興味があるから平常心ではいられないのかもしれないし、何か性に関する悩みごとがあるのに口にできずにいるのかもしれません。

 いずれにしても、このままだと、あなたはあこがれの男性を前にしても自分を素直にさらけ出せないのでは……と案じます。恋に燃え、愛を深めていくには、男と女の会話をまずあなたの世界でOKにする必要があるからです。

 もうひとつの問題は、その手の話を嫌悪するあまり、話題を提供した人や質問した人を、それだけの理由であなたは毛嫌いして遠ざけようとすること。それでは相手を正しく見ることも、健全な人間関係を営むこともむずかしいでしょう。

 あなたは思春期に深く傷ついて心が屈折したまま、無意識の世界で何かに渇望しているように見受けられます。それを探し当てて満たしてあげることを考えませんか。もし私が書いたことになんとなくでも納得したら、専門家によるカウンセリングを受けてみてください。きっと抜け出すきっかけがつかめると思います。

 私が子どものときに赤くなったのは、「人前で間違えるのは恥。よくないこと」という強い刷り込みがあったためです。それに気づいて「人前で間違えてもかまわない。間違えない人なんていない。みんなそうやって学んでいく」と必死になって意識を塗り替えました。

 まずは心の傷になっている原因を探り当て、潜在意識に光を当てて癒し、修正してください。それは可能ですよ。なりたい自分になることを決してあきらめないでくださいね。それができるから、あなたは主人公、あなたの人生の創り手なのです。

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Last Updated: 2009/11/17