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カウンセリングメッセージ

Vol.4 「ネガティブな自分」

From あやさん

私の悩みはネガティブなことです。とても神経質で、過去に失敗した経験にとらわれて、いつも最悪の事態を予想しながら行動します。ずっと美容業界で働いていましたが、過呼吸をくり返し、精神的に限界を感じて退職しました。今は歯科の助手として働き始めたばかりですが、ダメだと思いながらそこでも「失敗したらどうしよう…」とか「できなかったらどうしよう…」と、まだ起こってもいないことをあれこれ想像して仕事にいくのがイヤになってしまいます。新しい分野の仕事なので、慣れるまでは不安だし、失敗しても仕方がないと思ってはいるのですが、やっぱりいろいろ考え過ぎて休みの日も仕事のことで頭がいっぱいになります。失敗して恥をかくことはやむを得ないと分かっていても、ネガティブに考えるクセがどうしても治りません。このままでは以前の職場のように精神的に参って体がもたなくなりそうなので、自分の性格を変えたいんです。余計な心配をせず、うまく気持ちを切り替えるにはどうしたらいいでしょうか?

 いちいち公表しないだけで、多くの人が「ネガティブな自分をなんとかしたい」と思っているはずですよ。私もそのひとりでした。でも、今は100%ポジティブです。その体験を踏まえて、気持ちを切り替えるのに有効な方法をお伝えします。

 それは「意識を今に戻す」ことと、「イメージングを使う」こと。最初に「意識を今に戻す」方法について説明しましょう。

 あなたが過去の出来事にとらわれると、心は過去に引き戻されてしまいます。つまり、今に身を置きながら気持ちは過去にあるので、新たな気持ちで仕事に挑みたくても、心は過去の恐怖に取り込まれた状態になってしまうのです。

 以前に味わったことはすでに終わったことです。今となっては記憶の1ページに過ぎません。今という貴重な時間を、そんな過去の記憶を回想することに費やしている自分に気づいてください。

 今を生きるということは、どんどん移り変わっていく今に心を置き続けるということ。今に心を置き続けましょう。それには五感をフルに使うといいですよ。今見ているもの、聞いている声・音、香り、味わい、触れているものの感触…まずそのどれかに意識を集中します。そのことだけに心をすべて注ぎ込みます。

 もしネガティブな考えが邪魔してきたら、「もう過去には引き戻されない!」と言い放って、ふたたび五感のどれかに意識を集中します。

 この『今目の前にあること、もしくは今やるべきことに心をすべて注ぎ込む訓練』は、仕事中に限らず、寝ても覚めても真剣に取り組んで習慣化することが重要です。それができるようになったら、過去のとらわれから解放されます。少しずつでいいから"心のながら族"をやめましょう。

 次に「イメージングを使う」方法について。あなたは「失敗したらどうしよう…」という気持ちを抑えられないようですが、余計な心配をなくすには、失敗するイメージが張り付いた脳に"成功するイメージ"を上書きする必要があります。

 私たちが何かに挑むとき、無意識に「失敗したときの恐怖」を思うか「成功したときの喜び」を思うかで、結果は正反対になります。だからこそ、何をするにもいいイメージを持って励み続けることがとても大切なんです。

 さっそく"成功するイメージ"を心に植えつけましょう。やり方は、自分のすることがうまくいったときの顔を、この時点でありありと思い浮かべて喜びに浸る。さらに、まわりの人たちも満足しているようすを細かく想像する。この2点です。

 それを何度もくり返すうちに、少しずつ自分を信じる心が育っていきます。想像力は創造力! それが新しい未来を創りあげていくんですよ。

 あなたの将来に待ち構えているものは、「失敗して恥をかく機会」ではなく、「チャレンジして人の役に立つ機会」。つまりあなたは、失敗して恥をかくために生きているのではなく、自分が成長して人の役に立つために生きているのです。

 その意味では全員同じ。まだまだ発展途上なんです。途上でかみしめる感情は、成長に必要な体験ばかりだから、恥をかくことも自分に許してあげましょうね。そうすれば自然に、つらい体験を乗り切って未来に向かう勇気がわいてくるから。

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Last Updated: 2009/04/17