たいへんな試練を乗り越えられましたね。女性にとって乳房や子宮を摘出することは、肉体の傷以上に心に傷を負うものです。私も最初の結婚に敗れてこれからというときに、子宮を全摘した身なのでよくわかります。
ボロボロになった私の心を支えたものは、それでも宇宙に生かされていることへの感謝の気持ちでした。だったらもう一度生まれ直した気になって、幸せになるのに必要のない価値観を葬り、新たな価値観を育もうと決意したのです。
これが今の私の出発点です。以前の私が「人並みの幸せ」を目指してがんばっていたとすれば、それ以降は「独自の幸せ」のために自分を大切にするようになりました。いつも人と自分を比べて右往左往していた私は、そのときから自分の本音ときちんと向き合い、心の声にしたがって生きるようになったのです。
あなたは今、人生で"大きなチャンス"を手に入れようとしています。それは本当の幸せに目覚めるチャンス。いつ死んでも悔いを残さない人生を生きはじめるチャンスですよ。今度こそ、自分を心から愛してください。
それには心に染み付いた古い価値観、つまり、不安に縛られて自分は不幸だと思ってしまう価値観を手放すこと。あなたが病気と引き換えに知った"感謝と幸せ"は、これから一生あなたを支えるかけがえのない価値観になるでしょう。
女性として愛されて結婚する夢は叶わないかも…という不安にさいなまれるのは、心のバランスがうまくとれていないせいです。そんなことで卑屈になったら、あなたの魅力が覆われてしまうので一番のマイナスです。
そんなことを案じるより、自分の人間性を高めることに心を砕きましょう。ひとりの人間として愛を深めていくこと。そっちに意識を向け続けたときから、あなたの人生は大きく開けていくと思います。
具体的な方法は「あなたの力をだれかに貸してあげること」です。世の中には、あなたより苦しんでいる人たちが大勢います。その人たちのために何かできることをはじめませんか?
自分が役に立てそうな分野で、ムリをしない範囲でできることを考えたらいいんです。それは見も知らない人に対してでも、身近にいる人に対してでもかまいません。しかし、力になれるなら身を削るという気概が必要です。
自分を与えるということは、自分が与えられるということ。それが実際にはどういうことなのかを実感すれば、あなたは自然に変わるでしょう。
喜んで人を助けようとすれば、あなたはそんな自分に存在価値を感じ、生きがいを見出すでしょう。それでだれかの役に立てれば、あなたはそんな自分に誇りを感じ、自分を愛するようになるでしょう。
私たちは自分を愛するようにしか他人を愛せません。だから今は、そうやって心から自分を愛し、活かすことを学んでください。その結果、不安や不幸感から解放されて心にやすらぎをとり戻すことが、本当の幸せに目覚めることなのです。
結婚はそこに愛がなければ幸福をもたらしません。あなたが抱いている夢はきっと叶うでしょう。ただし、それを可能にするのは、あなたのこれからの前向きな生き方と自分を与える愛し方次第だと思います。