どんな人の幸せも、家族に対するのと同じように喜んであげられたらすばらしいですね。あなたが今苦悩しているのは、そんな自分になるために目の前の壁を必死で乗り越えようとしているからです。
あなたが"妙に嫌な感情"と書いたものは嫉妬心。妬み、やっかみ、そねみの感情です。これが相手への復讐心やいじめ心をかりたてるんです。それを抑えつける理性があれば、今度は自己嫌悪が生まれます。
このように自分を痛めつけるわずらわしい嫉妬心に手を焼いている人たちは、あなた以外にも大勢いると思います。では、この嫉妬心を克服する方法を考えていきましょう。
あなたが「負けず嫌い」なのは、「ライバルに勝ちたい」から。「ライバルに勝ちたい」のは、勝って「手に入れたいもの」があるから。それを他の人に取られたように感じるとき、嫉妬心がわき起こります。
あなたが「手に入れたいもの」は、世間が与える"名誉や名声"ですよね。その際、あなたにとって家族は、ともに世間に相対して名誉や名声を勝ち取る存在なのですが、友達や恋人は、あなたにとっては世間の一部なんです。
「じゃ結婚すれば、恋人は身内になって嫉妬の対象から消える?」という素朴な疑問が浮かぶでしょうが、あなたは自分と同等の立場にある人たちと張り合う意識があるので、今のままではむずかしいと思います。ぜひ嫉妬心を克服するすべを身につけてください。
妬みは、人間がごく自然に抱く感情だから、それを敵対視することはありません。むしろ「おやおや」と笑って取り合わないくらいの余裕を持ちたいもの。そこで、『ライバルはきのうまでの自分!』という発想をするのです。
幸せになるために打ち勝つべきライバルは、あなたの内側にしかいません。まず、自分はどんな人間になりたいかという人物像をしっかり思い描いて、毎日、きのうまでの自分より少しでもマシな自分になってその人物像に近づいていきましょう。
例えば、友達が褒められているのを見たら、きのうは嫉妬したけれど、今日は思いきって「よかったね!」と声をかけてみる。さらに次の機会には「さすが!私もあやかろっと」と言ってみる。というように――。
嫉妬心に翻弄されるときは、自分の内側を見てないとき。嫌な感情を引きずらないためには、外のものとは比べず、気がついたら意識を内側に戻すことが大切なのです。そうすれば一時的に嫉妬心がわいたとしても、うまくやり過ごせるようになるでしょう。
あなたが、まっすぐな心で理想の自分を目指して歩きはじめれば、そこに生きがいとして「進化する喜び」を感じられるようになります。それは崇高な喜びなので、ちっぽけな嫉妬心など吹き飛ばしてくれますよ。
そうなれば、あなたはもう自分の外にライバルを捜したりはしません。外にいるのは、自分と同じように苦労しながら幸せになろうとがんばっている人たちだから。互いに励まし合い、喜びを分かち合うことで幸せが増幅することをあなたは知っているからです。
そんな意識に目覚めて生きていったら、結果として"名誉や名声"はついてくると思います。でもそれは、真に幸福な生き方をはじめたあなたにとっては"オマケ"のようなものなのです。