あなたが考える本当の自分は「猫を被らない自然体の自分」。でも、今のあなたは上辺を装い「猫を被っている偽善的な自分」。そのギャップに苦しんでいるのでしょう。
まわりに気を遣って嫌われないようにと思っているうちに、あなたは「猫を被ること」が当たり前になってしまったんですね。すると、いざ「自然体がいい」「素直になろう」と思ってもどうしたらいいのかわからなくなってしまいます。
私も同じようなことで悩んだ経験がありますが、そのとき思ったことは、「自然体!」「素直!」とどんなに言い聞かせても、最初に"自分が猫を被ってしまう理由"を受け入れない限り、自分を解放することはできないということでした。
人間はだれでも、自分の価値観でモノを見定めるように、自分の価値観で他人の気持ちをも推し測るところがあります。それをあなたが理解することからはじめましょう。
まず、相談したくても「迷惑かな?」「真剣に受け止めてくれないかも」と思ってしまうのは、「人の相談に乗るのはうっとうしい」「しょせんは他人事だし…」とあなた自身が考えているせいかもしれません。それがわかったら嫌われるので、無意識のうちに猫を被っていると考えられます。
そうなるほど、あなたには自分をさらけ出して傷ついた体験、うっとうしがられ軽くあしらわれた記憶があるはずなんです。それを受け入れて、心の傷を癒す必要があります。
つらくても、ものすごく悲しかった過去の出来事を思い起こし、傷ついた自分を抱きしめてあげましょう。それが"自分史をすべて受け入れて自分を理解する"ということです。
次に「過去は過去。私はもう自分の一番の理解者なんだから、これからは"新しい価値観"で人間関係に臨む!」と強く決意してください。あなたの目標は、素直に悩みを相談できる=本当の自分をさらけ出せる自分になることですよね。これからは"新しい価値観"で人とかかわっていきましょう。
それは「自分が傷つくことをこわがらない」という価値観です。たとえ相談した相手が迷惑そうにしても、相談した自分を責めたり、相談したことを悔やんではいけませんよ。
そのときはショックで傷ついても、「相手は余裕がないんだな」と思えばいいだけのこと。自分のしたことを決して責めない。決して悔やまないという覚悟さえあれば、何に対してもモノオジしなくなって、もっと素直に振る舞えるようになるでしょう。
最後に、猫を被ってしまう人は「今の自分では不足だ」と思い込んでいることが多いようです。それが「自分をさらけ出してはまずい」という観念を生み、「自分をさらけ出せない」という現実を作り出しています。
あなたは、あなただから意味があるのです。最初から完成している人間なんてこの世界には一人もいません。私たちは今の自分をよりよくしようとして生きているのだから、苦しむことも、悲しむことも、未熟なことにも意義があるのです。
なぜなら、私たちはそれらをバネにして前進するようにできているから。そのことを理解すれば、猫を被ることもなくなり、「あるがままの自分=自然体」で生きていけるようになると思います。
「何でも話せる親友のような付き合いをしたい」というあなたの願いは、何でも話してみて、どんな反応が返ってきてもそれを悔やまないあなたになれば、必ず叶いますよ。