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カウンセリングメッセージ

Vol.06 「嘘つき」

From りおさん

私は小さい頃から嘘つきだった、と気がつきました。幼稚園で先生に怒られたときも、怒られるのが怖くて嘘をつき、小学校でも先生に嫌われるのが怖くて「いい子」をしていました。そのくせどうでもいい相手には、ひどい事を言ったりしたりします。20歳になった今でも、振り返ると嘘ばかりついて生きている気がして…本当の私は、はっきり言って性格が悪いです。それを直したいと思って何かしようとする事も、「これって偽りじゃないの?」と考えてしまいます。友達にも本当の気持ちを言えなくて、こんな事言ったら恥ずかしい、馬鹿にされるという思いが先にたって嘘をついてしまいます。もっと素直に生きたいです。言い訳ばかりしてきた自分に本当に腹が立ちます。でも、癖になってしまって、なにかというと言い訳を考え、怒られないように、嫌われないように、いい返事をしようとする自分がいます。変なプライドを捨てて素直になりたいです。自分をどうしても好きになれないし、受け入れることができなくて苦しいんです。アドバイスをお願いします。

 とてもよくわかります。私も同様の悩みを抱えて、ずっと苦しんできたひとりだからです。私がそうなったのは、「何が何でも、まわりの人から愛されていたい」という気持ちが強かったためでした。

 その気持ちが、いつのまにか「素の自分を出したら嫌われる」という恐怖感を植えつけ、「いい顔をして、いい返事をしていれば嫌われない」という考えを生み出しました。そして、自分が「いい子」と認められると、この考えは正しいと思い込んでしまったんです。

 その結果として、うまくいかなければ「もっとがんばって人に合わせなくちゃ」と思い、人に迎合することや、自分を偽っていい人を演じることが、ますます顕著になっていったような気がします。

 しかし、大人になるにつれて、そんな自分に疑問を持つようになりました。自分を嘘っぽく感じて、ピエロのように振る舞う自分を責めはじめ、心の中はどんどん苦しくなって追いつめられていったのです。ちょうど、今のあなたの状態に重なると思います。

 私は今あなたに、「もうすぐラクになれるよ。この先には、過去の自分を解放する快感と喜びが待ってる!」といいたい気持ちです。では、そのプロセスをお伝えしましょう。

 自分は"嘘つき"だったと気づいたということは、「誠の自分」を自覚したからです。つまり、自分の発言がいつも「建て前」で、「本音」は別にあることを自覚したからに他なりません。それで"変なプライド"を捨てて素直になりたいと渇望するようになったのです。

 変なプライドとは、嫌われない自分でいようとする意識。だとしたら、逆にあなたは「嫌われる勇気」や「恥をかいたり、バカにされる勇気」を持てばいいんです。その勇気が出なかったら、自分にこう問いかけるんです。「誠の自分を見せたらバカにするような人と、友だちでいる意味ってあるの?」

 最初は、「こんなこと打ち明けるのは恥ずかしいんだけど…」とか、「こんなこというとバカにするかもしれないけど…」といった枕詞をつけると、本音を語りやすいでしょう。そして、まわりの反応を肌で感じてください。そうすれば、余計な心配も変なプライドも、あっという間に姿を消すと思います。

 というのは、友だちに限らず、まわりにいる人たちは「本音を語る"素のまま"のあなた」のほうを歓迎してくれるはずだから。だれもが深く付き合いたいのは、優秀を装った人ではなく、安心できる人なんですね。あなただって、そうでしょう?

 自分が自分を好きになれない理由も同じです。あなたが愛したい自分とは、優秀でいい人と思われるために嘘をつく自分ではないはず。損しても、バカにされても、「これが私なの」と正直にいえる自分。そんな自分に誇りを持って生きていきたいと願っているのではありませんか?

 自分が好きな自分でいることが、まわりも自分を好きになってくれる最大の道です。人からどう思われても、正直であることを優先して行動していけば、まわりはそんなあなたを信用して、以前よりも心を開いて接してくれるようになるでしょう。

 心を開くということは、本音を語るということ。さあ、勇気をふるって、あなたからそうしてください。もし、嘘つきの自分が顔を出したら「私ったら、また建て前をいっちゃった…本音を聞いてくれる?」と、その場でいい直すようにして。そうやって着実に、少しずつ、前に進んでいったらいいんですよ。

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Last Updated: 2008/06/17