今回の相談を"贅沢な悩み"と思う人がいるかもしれませんが、苦しさの程度は他人との比較で決まるわけではありません。「今の自分を愛せない」ことが、いつどんな状況にあっても私たちを苦しめる元凶なのです。
さてあなたの場合は、あなたが持っている"夫との分離感"が苦しみを生み出しているように見受けられます。それは「夫の才能と喜びと愛は、夫のもの。私の可能性と悩みと苦しみは、私のもの」といったバラバラ感のことです。
現にあなたは今、夫の愛を享受することよりも、自分の苦悩をかばうことに気を奪われています。あげくの果て"過去"の夫にまで嫉妬するという、とんでもない事態に陥っています。このまま自分と夫を不幸にしないように視点を切り替えましょう。
あなたは「君はもっと男性と付き合ってから結婚すべきだったんだ」というご主人の言葉を額面通りに受け取っているようですが、ご主人の真意が伝わっていないような気がします。
ご主人が伝えたい思いを3つあげてみましょう。「もしも、君が数々の恋を経験して自分と結婚していたら、君はきっと……@『これほど大事にされていることの価値が身に沁みて、心からの幸せを感じるだろう』A『カサノバを返上させたくらい魅惑的なことを素直に喜んで、決してひがんだりしないだろう』B『夫のためにもいつまでも輝いていたいと、自分を高めることにもっとエネルギーを費やすだろう』」
これをひっくり返していえば、『君は僕の気持ちをまったく解さなくて、逆のことばかり考えているようだね。もしずっとそんな調子だったら、今ある幸せは逃げていってしまうかもしれないよ』ということ。『今ある幸せを二人で守っていくために、なにが一番大切かということに早く気づいて心穏やかでいてほしい』という心境だと思います。
あなたは、自分に自信が持ちたくてもそれを得られず、生まれも育ちも性別も違うご主人を自分と比較して苦しんでいます。自分を愛せないでいると、人を愛することはどんどんむずかしくなっていくんですね。その結果、バラバラ感を募らせて「愛する自分」を見失ってしまうのです。
愛とは"一体感"です。それをよみがえらせる方向で現状を見てみましょう。
まずあなたは、尊敬に値する男性から「生涯の伴侶」として選ばれたことに、もっと誇りを見出す必要があります。あなたが自分を卑下したり否定すれば、あなたという人を選んだご主人を否定することになるんですよ。それは彼に対して失礼でしょう?
これからは、「私ばかり…」とか「主人ばかり…」という感覚を捨て去って"一心同体"になることを目指しましょう。自分を愛してくれる夫に心から感謝して、夫の人生を応援するようにしてください。その気持ちが"夫婦の絆"を強めていくから。
どんなに強い男性でも、自分のすべてを真に理解してくれる女性と二人三脚で生きていけたら幸せだし、家庭はそうして二人で築き上げていくものなのです。それができないと、あなたは単なる彼のマスコットになってしまいますよ。
心構えとしては、「自分が彼をもっと幸せにしてあげよう」という気持ちを持つことです。彼に負けないものは、自分の愛なのです。それを駆使して"妻としての本当の役割"を果たすことに専念しましょう。それが、あなたが幸せになる道だと思います。