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カウンセリングメッセージ

Vol.4 「希望を持てません…」

From GABBYさん

私は今の世の中に希望を持つことができません。地球温暖化、戦争、病気など、不安になる要素がたくさんあります。宇佐美さんの本やWebのエッセイを読んで元気づけられるのですが、テレビや新聞、本で「異常事態」「危機」「不安」などの言葉を見るたびに、元気を取り戻していた心が、またどん底に叩きつけられてしまいます。こんなに暗いニュースが飛び交う時代に、やっぱり希望なんてないんじゃないか…と考えてしまうのです。これからを生きていく上で、このような「自分ではどうにもならない問題」とどう向き合っていったらいいのでしょうか。

 10代のあなたが自分の人生を地球規模で見ていることに、私は驚きとたのもしさを覚えました。もし、何の疑問も抱かずに目先の快楽を追いかけて生きていたら、こういう悩み方はしないと思うからです。

 ニュースはその性質上通常じゃない出来事″が一方的に伝わってくるので、見る側の不安をあおることがしばしば起こります。だからこそ、ニュースを見る側の眼、つまり受け手の見方がとても重要になるんですね。

 あなたは現代を「希望の持てない時代」と感じているようですが、まずあなたを取り巻く環境を見てみましょう。小さな環境としては家庭や学校(職場)、中くらいの環境としては日本社会、大きな環境としては地球があって、すべてに人間がかかわっています。

 家族同士、友人同士、日本人同士、外国人同士…どの関係も平和ならばいいけれど、実際はいがみ合ったり傷つけ合ったりしています。だからといって、あなたが「希望がない」「自分ではどうにもならない」と決め付けるのは間違っていると思いますよ。

 私が伝えたいのは、この世のものは「陰と陽」で成り立っているということ。あなた自身も、個人の出来事も、世界の出来事も、「陰」と「光」の両面を携えているのです。ただし、陰を悪″だと勘違いしないでください。

 光が当ればそこに陰ができるように、陰と光はもともと表裏一体。陰は、人や物や出来事をエゴの心″で見たときの景色。光は、それを愛の心″で見たときの景色です。

 例えば、家庭や学校、そこに介在する人や物や出来事に対して「うっとうしい」と見ることも「ありがたい」と見ることもできるでしょう? これと同じように、どの環境もそれ自体は陰でも悪でもなく、それを見る人がどんな心でとらえるかという問題なのです。

 私たちの幸福や世界平和は、どこかの富豪や政治家がポンと与えてくれるものではありません。ひとりひとりが愛の心に目覚めることでしか創れないもの。自分と家族、自分と他人、自分と地球との関係を、もっと温かいものに変えていくしかないんです。

 自分の利益に固執して地球温暖化や戦争を引き起こすのは愚かなエゴの表れだと、今よりも大勢の人が気づけば、それを終わらせることができます。そしてより進化した人類の歴史が始まるでしょう。このとき暗い出来事が、進化を促すきっかけになるから、陰と光は表裏一体″なんですね。

 あなたの人生にも同じことがいえます。今はいやだと思っても「あれは必要な体験だった」と感じることがたくさん起こるはず。すべてはあなたの見方しだいですよ。

 陰を光に変えるためにひとりひとりにできることは、どんな環境に置かれても、自力で自分の心に平和をもたらすこと。自分のエゴに打ち勝つことです。それが愛に目覚めて生きるということなのです。

 あなたが小さな環境でエゴに打ち勝てば、中くらいの環境にも、大きな環境にも、やさしいまなざしを向けるようになるでしょう。そうやって、愛に満ちた世界を目指して生きる人たちが増えていったら、地球の未来は確実に変わります。

 これからは、どんなつらい出来事を見ても、どんな暗い人に会っても、その奥に秘められた「光」を見つけましょう。そうすれば、いつも自分を見失わないで、希望を胸にやさしい気持ちで生きていけるから。

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Last Updated: 2007/04/17