あなたは、自分のことを「だいじょうぶ」と思いたいのにどうしても不安になるから、安心できる人を心のよりどころにして「だいじょうぶ」と感じたがっているようです。
安心できる人に、自分の代わりに「私のことを認めてほしい」と思っているのでしょう。だから、自分を受け入れて安心させてくれる人といられないと、不安がる自分を持て余して息苦しくなるんだと思います。
その安心できる人にさえ、あなたが弱いところを見せられないのは、最後のとりでを失いたくないという理性が働くためでしょうね。もし、弱音をはいて嫌われたら、もう行き場がなくなってしまうと恐れているからではありませんか。
ひと口に「不安を感じる」といっても原因はさまざまですが、そのほとんどが「そうなってほしくない想像」に頭を支配されているときです。一般には、自分に自信がないとき。自分ひとりではどうすることもできないとき。自分が失うものがわかっているとき。などが考えられます。
でも、こういった状態は、生きていればだれもが経験するものです。だからこそ、不安に負けない自己を創りあげていくことが人生の目標といえるのです。
私たちは、不安に負けないで、勇気をふるって突き進むことでしか、夢を叶える力も、人を幸せにするやさしさも、つちかうことはできません。そのことをよく覚えておいてください。
だから、もしあなたが、人に頼るだけで自分はまるで変わろうとせず、不安から逃げることばかり考えていたら、心は成長できないので、いつまでたっても状況を変える力を身につけることはできません。
10代のあなたが、強い自己をまだ確立できていないのは当り前。それでうんと悩むから自分のことがわかり、自分のことがわかるから人のことが理解できて、心が強くなっていくんですね。だから、もう余分な心配をしないで。
あなたにとって必要なことは、まず「不安と仲良くなる」ことです。不安は、ちっとも悪いものではないから。それはあなたの貴重なエネルギーであって、あなたが成長するために必要な材料です。(最悪なのは、不安さえ感じようとしない無気力な精神状態。)
今は、未熟な心をいやがらないで受け入れましょう。そして、不安を恐れないで「おもしろがる」視点を持ちましょう。自分の心をよく観察して、「こんなにビビッて事態を変えたがっているなら、思い切って行動しよう!」という気持ちを持ってください。
「不安を育てる」のではなく、心にある「楽しみを育てる」ようにするのです。不安エネルギーを、あきらめないでうまく勇気に振り替えるようにするのです。
そうすれば必ず前に進めるから。自分の楽しみな世界が広がって、夢や希望がどんどんふくらんでいくから。それが自分を育て、人生を創っていくということなのです。
どんなときも、どんな目に遭っても、「自分が何をきっかけにどう成長していくのか、ものすごく楽しみ。だから自分を応援し続ける!」という気持ちを捨ててはいけませんよ。
学校の保健室の先生には、卒業前にお礼をいいましょう。「これまで私を支えてくれて、どうもありがとう」と伝えることで、自分で自分の心の卒業式″をしてください。