もどる
カウンセリングメッセージ

Vol.11 「私ってヒドイ?」

From skyさん

最近、「私って性格悪いなぁ、人間として最低だなぁ」と思い悩んでいます。それは友達に嬉しいことがあったとき、素直に喜んであげられない自分がいるためです。小さい頃に「喜んでいる者と一緒に喜び、泣いている者と一緒に泣きなさい」と教わりました。それなのに、友達に嬉しいことがあったときに一緒に心から喜んであげられません。こんな私って、やっぱりヒドイのでしょうか? 素直に喜んであげられないのは、嫉妬しているから?と思って、「そう思わないように、そう思わないように…」と何度も自分に言うのですが、こんな性格を変えなくてはと思っているうちに、だんだん本当の自分が分からなくなってしまいました。今高校2年です。学校で友達関係も上手くいかず、受験の勉強も上手くいかず、いったいどうすればいいのか本当に悩んでいます。相談する人もいなくて、今回メールさせていただきました。どうかアドバイスをください。

 あなたは少しもヒドイ人ではありませんよ。それどころか、実に心根のやさしい人だと思います。だから、友達の幸せを素直に喜んであげられない自分に戸惑い、途方にくれているのでしょう。

 これからお伝えすることは、人間に一生ついてまわる"心の原則"です。あなたはそれを知るために必要な体験をしているだけ。これからは自分を最低だなんて思わなくてすむようにね。

 だれかと一緒に喜んだり泣いたりしてあげられるやさしさは、"愛"です。まずそれが、あなたのどこからわいてくるのかを知りましょう。

 はじめに「ガラスのコップ」を思い浮かべて、それを自分自身と仮定します。もしコップいっぱいに愛が入っていたら、あなたがだれかに向かって頭を下げれば、たちまちコップからその人に向かって愛が流れ出すでしょう。

 でも、もしコップが空っぽだったら、あるいはほんのちょっとしか愛がなかったら、あなたが懸命にコップを傾けても愛は流れていきません。この状態でだれかを愛そうとしても、あせるばかりで疲れてしまいます。自己嫌悪に陥ったり、自分を偽善者のように感じたりするかもしれません。

 あなたが味わっているのはこの状態です。自分を愛で満たすことをおろそかにした結果なんです。それに気づかないでいると、人間関係や学業にも派生して人生がうまくいかなくなります。もう自分を責めるのはやめて愛を注ぐことを考えましょう。

 あなたは小さいとき、両親の愛をたくさん受けて、自分というコップから愛があふれていたと思います。今度はそれを自力でするんです。これが精神的に自立するということ。

 友人や恋人を当てにして愛を奪いとろうとしてはいけません。それで得られるのは一時的な自己満足で、かならず不足感におそわれて苦しむことになるから。友人や恋人に心から愛されたいと思えば、まず"自分から愛すること"ですよ。

 では、コップに愛を注ぐ方法をお伝えしましょう。――自分が最初に自分を認めること。自分にすでにあるものを数えること。いろんな人のお陰で生きていることを感謝すること。いろんな顔を持つ自分をおもしろがること。自分の心の声に耳を傾けること。人生には波があることを受け入れること。希望を胸に夢を追いかけること。

 気持ちよく人を動かすものは、愛だけです。これは自分に対しても同じです。「いじめて脅す」のではなく「理解して応援する」ことでしか、だれも素直にしたがってはくれません。

 例えば、自分に「嫉妬しないように、そう思わないように…」と命じることは、レモンをすっぱいと思わないように…というのと似ていてうまくいかないと思います。そうではなく、レモンを蜂蜜付けにすればすっぱくなくなるように、渇いた心を愛でくるめば問題は解決します。

 そのためには「心にゆとりを持つこと」がとても大切です。なぜなら、心のゆとりが"愛のすみか"だから。そこから愛があふれてくるんですね。心のゆとりをとり戻せば、あなたは復活します。いつでも自分を見失ったら、そこに立ち返ってください。

ご相談入力コーナー

*)ご入力いただいた方の中から、ご相談内容とカウンセリングメッセージを掲載します。


| ホーム | | エッセイ | ボイス・レター | ねっとカウンセリング | みんなの広場 |
| Booksコーナー | 講演依頼 | お知らせコーナー | プロフィール |

Last Updated: 2006/12/17