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Vol.7 偽りのない本当の自分

From みいさん

宇佐美先生は「偽りのない本当の自分」を愛せますか? 私は愛せていません。私は田舎でのんびりと野放し状態で育ち、小さいころからあまり偽りのない飾らない自分できました。それがラクだからそうしてきました。偽るのって窮屈でしょう。でもそのままの自分なのに、思うように人に好かれませんでした。だから本当の自分に対して劣等感が強いんです。本当の自分では人に好かれない、本当の自分ではダメなんだと思ってます。田舎を放れてからは余計に自分を飾るようになり、疲れました。どうすればいいんでしょうか? 本には、偽りのない本当の自分で生きてく進めがありますが、それで愛されないなら自分を変えていく必要がありますよね? 愛される自分になっていくこと、自分でも愛せる自分になっていくこと…難しいです。意見をうかがえたら嬉しいです。この場をありがとうございます。
カウンセリングメッセージ

 私は「偽りのない本当の自分」を見せられるようになって、ようやくラクに自然体で生きられるようになりました。それまでは自分を飾ることばかり考え、背伸びをし、評価を気にして疲れ果てていました。ちょうど今のあなたのように。

 あなたはすばらしい子ども時代を過ごして、せっかく「偽るのが窮屈だと知っている飾らない自分」で大人になったのだから、一日も早く"大きな勘違い"に気がついてください。そのことをお伝えします。

 飾らない人は「素のままで本音をいう」人で、飾る人は「表面的で建て前をいう」人だとしたら、どっちが他人から警戒され、どっちが信頼されるかは明らかでしょう。飾らない人が相手をほっとさせ、信用を得て好かれます。

 『じゃ、どうして私は好かれなかったの?』と思うでしょうね。その理由は「飾らないこと」と「気遣わないこと」をごっちゃにしているからだと思います。これを、大きな勘違いといったのです。

 「気遣わない」とは「相手に気を配らない」とか「まわりを思いやらない」という意味です。あなたは「偽りのない本当の自分」だから好かれなかったのではなく、相手が窮屈な思いをしないように気を配ったり、だいじょうぶかなと思いやって声をかけることが少なかったのではありませんか?

 たとえあなたはそうしていたつもりでも、相手には充分伝わっていなかったようです。"伝わらない好意は、好意がないのと同じ結果"になります。それをよく考えてください。

 たとえば、あなたがおせっかいにならないように相手を放っておいたとしましょう。もしそれを好意だと感じてもらえなかったら、あなたは冷たい人に映るかもしれません。あるいは、自分に正直に振舞っても、もしそれをまわりのことを考えない行動と思われたら、あなたは自分勝手な人に映るかもしれません。

 あなたは本当の自分ではダメだと思って「自分を飾る」ようになったとありますが、気を使う方向を間違えて悪循環に巻き込まれているんですね。それだと、どんどん空回りしてますます自分を愛せなくなって、苦しくなるばかりです。

 きっとあなたのまわりにいる人たちは、もっといたわられることを期待しているのでしょう。飾らないあなたのままで、でも、まわりにもっとやさしさを示す努力をしてみませんか?

 人から愛されるには、自分から愛することに尽きます。自分を飾る方向ではなく、もっと相手に愛を表す方向に気を使いましょう。愛は、もともとあなたの中にあるから。

 基本的には、自分がされたらうれしいことを進んで人にしてあげればいいと思います。まずは笑顔で、あなたから温かい言葉をかけ、相手への素直な関心を見せていきましょう。

 都会は人口密度が高いだけに、さまざまな人間関係で傷ついて、本当の自分を出すのを怖がっている人たちが大勢います。その中で、あなたは「自分を偽るって窮屈でしょ?そのままのあなたでOKよ!」というサインを出せる貴重な存在なのです。

 あなたは自分を飾る体験をしたあとだから、よりいっそう人々の心労がわかるはず。偽りのないあなたが活躍してまわりをラクにしてあげるのは、これからですよ。

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Last Updated: 2006/07/17

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