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Vol.6 もう繰り返したくない…

From なおりたい子さん

40歳の主婦です。出産と同時に強迫神経症になりました。もう大丈夫だと思えるようになって10年ですが、また不安に対処できなくなりました。そのとき宇佐美先生の本に出会って、私の心は癒されました。今日も心が泣き叫びそうになったので、先生の本を読みました。そして、はっと目からウロコが落ちたようにわかったのです。私の一番怖がっていたもの、恐れていたものは自分自身だったと…。「自分をいじめない」とか、さんざんわかっていたつもりだったのに、本当の意味が初めてわかった気がしました。この気持ちをもう忘れたくありません。先生は、立ち直った気持ちをどうやって持続させているのですか?それがお仕事だから忘れないのですか? 私は怖いのです。しばらくしてまた不安になったとき、すぐに思い出して自分を助けてあげられるかどうか…。もう、心が泣き出しそうな自分にはなりたくない。苦しくて。先生はどうして元気が続くの?もう決してくじけないの?どうしたら心を鍛えられるのか、教えて下さい。
カウンセリングメッセージ

 10年間大丈夫だったなら、あなたの強迫神経症は治っていますよ。ただそのときの"記憶"が恐怖になって残っているのでしょう。その恐怖が生活に支障をきたすほど大きい場合を"トラウマ"といいますが、いやな記憶におびえることはだれにでもあることです。

 問題は、"いやな記憶"を自分が超えようとするかどうかなのです。あなたは今回、自分の力で立派にそれを成し遂げました。「あきらめなかった」から。「くり返さないための努力をした」から。「よくなる自分を信じた」からです。

 この3つは、生きていく上で必要不可欠なすばらしいこと。人は必死になってアクションを起こせば、必ず苦難を乗り越えるヒントをつかむことができます。この先、あなたがこの3つを忘れなければ、いやな記憶におびえ不安にしばられることはなくなると思います。

 それは、もう「人生から不安が消える」「泣き出すことがなくなる」という意味でなく、「立ち直る時間がどんどん短くなる」という意味です。不安に襲われても、瞬時に切り替えられるようになればそれでいいからです。

 人が人生の苦しみから逃れようと試行錯誤する姿は、その人の中の愛に目覚めようと必死になる姿でもあるんですね。人生でどんな体験をする自分も愛することができれば、もう「私は不幸だ」と苦しまなくて済むからです。

 ということは、あなたが幸せにやすらいで生きたいと望むなら、意識を覚醒させるしかありません。

 これから先の人生で、たとえあなたが病気や災難に見舞われることがあっても、苦しいことから逃げようとしなければ、飛躍的に成長できます。だから不本意なことでも、「生きるとはそういうこと」「これは心の糧」と割り切って乗り超えていってください。

 私もあなたと変わらない生身の人間です。ただあなたより先に、人生を見据えて割り切っただけですよ。メッセージを発信するのが仕事なので、毎日のように「自分を振り返る」ことで確かに救われていると思います。

 振り返って自分の未熟さに涙ぐむことも、感謝があふれてきて泣き出すこともしょっちゅうです。でも未熟ということは、さらに成長できるということだから、そんな自分を楽しもうと言い聞かせて改めて目標を掲げるんです。

 心を静めて反省すると"謙虚"さが戻ってきます。感謝すると"やさしさ"が戻ってきます。精一杯自分を応援してだれかの役に立ちたいと願えば"愛"が見えてきます。そうやって自分を愛しそこなわないことが、人を愛しそこなわないヒケツだと思います。

 あなたは、もう自分を愛しそこなわないようにしてくださいね。どんなあなたも愛すべきあなたです。怖いことも、楽しいことも、いやな記憶も、まじめな思考も、世界の海がひとつにつながっているように、そのすべてが"あなた"なのです。

 覚醒した今の意識を忘れないためには、毎日少しでもその気持ちにひたることがとても大切です。気に入った言葉を紙に書いて目に付くところに貼るとか、好きな本に目を通してから眠るように心がけてみてください。

 苦しいときの努力より、毎日の努力を楽しんで続けることが、心を鍛える近道なのです。日常生活の中に、自分の心と対話する「振り返りの時間」をぜひ作りましょう。

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Last Updated: 2006/06/17

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