あなたの気持ちはわかりますが、「人との付き合いは、ほどほどがうまくいく」の『ほどほど』に対する心積もりが問題です。人との距離を置こうとして、孤立しないようにしましょう。
それにしても、あなたが人付き合いに疲れるのは"ムリ"をしている証拠ですよね。でも、人とのかかわりをなくして私たちは生きられないし、また、幸せを味わうこともできません。
そこで結論としては、「自分にムリをさせない付き合い方がいちばんいい」ということになります。ただし、年中べったりがいい人、大勢がいい人、なるべくひとりでいたい人、気が向いたときだけべったりしたい人など、相手の希望はまちまちです。
だから、いかにさりげなく「私はこれがいい」と示して、お互いの"快適さ"を守っていくかがコミュニケーションのポイントになるんです。
まずは、あなたの中にある「人に干渉される」→「うっとうしくてイライラする」→「自分は冷たいのかも…」という思考パターンを打ち破りましょう。それには、「干渉されている」という自分の思い込みをはずす必要があります。
たぶん、相手は干渉しているつもりはないと思います。ただ、あなたと相手の"快適さ"に差があるんです。これからは、相手がいろいろ聞いてきたら、その人そのものを「うっとうしい」と決めつけないで、内容によって明確な意思表示をしましょう。
あなたが、相手を丸ごと否定してかからなければ、つまり「個人差があっていい」と認識して会話をすれば、「そろそろ話を切り上げたい」と思ったとき、「ちょっとひとりにして」「したいことがあるから」といっても、あるいは「それには答えたくない」と思ったとき、「それはないしょ」「今はいえない」といっても角は立たないでしょう。
まわりに対して「ここは自分と同じ。あそこは違う」と、ひとりひとりを尊重する気持ちを持てば、イライラしないで"素直に自分を出す"ことができるはずです。
そうやって、『メリハリ』の調整をつけることがコミュニケーションです。ただし、相手の「気持ちをくむ」ことと、相手に「流される」ことは別。その場で流されると、自分を見失うから「振り回されている」ような気がするんですね。
いいコミュニケーターは、本当の自分を理解してもらうように振る舞える人。あなたが自己主張するのは、相手を否定するためではなく、あくまでも自分を理解してもらうためです。
よくないコミュニケーターは、悪く思われないようにとムリして自分を誤解される人。あとから態度をひるがえせば、相手は失望するので気まずくなります。かといって、ムリを続ければストレスを溜め込みます。
人間関係は、人から与えられるものではなくて"築いていく"ものです。だからこそ、まわりに自分をちゃんと受け入れてもらえるように、あなたから歩み寄りましょう。笑顔と誠意を忘れないで!
あなたが非難がましい口調にならなければ、相互理解が生まれ易くなるから。その上で、会話する際は「相手の話を心から聴く」「相手に心を開いて話す」ように努めたら、快適な関係を築いていけますよ。