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Vol.3 寂しがりや

From 1030さん

悩み続けて22年になる40前の主婦です。森田療法・精神科・心理療法・カウンセリング・自己啓発といろいろと試しましたがなおりません。その症状は……私は派手好きでおしゃれも大好きだし行動派で、何て言えばいいか、ダサクはないほうです。だから自分と似たようなタイプの人と仲良くなりたいのです。でも、仲良くなりたいと思う人に会うと病的に緊張します。例えば、それ以外の人をaさんとすると、aさんとあって挨拶を交わすときは、心が温かくなるような感じで「人間っていいよな。今の挨拶の仕方良かったよ」と思います。でも仲良くなりたいbさんと挨拶した後は、「今の私すごく変だった。緊張してたし、変な人と思われただろうな。嫌われただろうな」と、ずっとそればかり考えて気が沈みます。aに対する自分はプラス思考、bの時はマイナス思考と極端です。いつも自分とは正反対の人とばかり親しくなって、でも正直いって話題も合わないし、優越感に浸ってるとわかってるんです。こんな自分もいやだし、仲良くなりたい人と仲良くしたいのに壁が越えられません。精神科の先生には「言ってることが分からない。難しい」といわれますが、どうにかしたいんです。よろしくお願いします。
カウンセリングメッセージ

 自分を形成する年頃に抱いた"自己イメージ"通り、華やかでおしゃれなカッコいい自分を創ってきたあなたの様子が目に浮かびます。

 結論からいいましょう。『aさんもbさんもあなた』ですよ。その一方を22年間も拒絶してきたから、自分の扱い方がわからなくなってそんなに苦しんでいるんだと思います。

 タイトルに「絶対なおしたい。でもなおらない」とありますが、両方とも自分なんだから、治すというよりそれを認知することからはじめませんか? あなたがそういう自分と仲良くなることが、だれとでも仲良くなる方法なんです。

 詳しく説明しましょう。あなたにとってaさんは、親しくなりやすいし、いっしょにいてラクな存在。でもあなたは、「心が温かくなるようでいい」けど「ダサいから、同等に見られたくない」と思っています。

 一方bさんには、あこがれているのに極度に緊張して、自分をアピールできずに親しくなれません。そのたびに「私すごく変だったから嫌われた」と、仲良くなれない理由をいつも「自分のせい」にしています。

 実は、aさんは『あなたの内面の象徴』なんです。aさんに温かさや人間味を感じるのは、あなたの温かさや人間味とaさんのそれが共鳴するから。気が交流して心地いい分かち合いができれば、プラス思考になって当然です。

 にもかかわらず、あなたはそんな自分の魅力を否定してaさんを拒絶し、逆に"優越感"を抱くことで「aさんと自分は別物」と思おうとしています。それは、あなたからあなたの一部を切り離す行為なんです。

 それでbさんに居場所を求めるのですが、外面は似通っていても内面が違えば心は通い合いません。それでも「自分はbだ」と思いたいあなたは、bさんを「冷たい。きどってる。やさしくない」とは思わないで、「自分が変な態度をとって誤解された」とずっと決めつけてきました。

 あなたはこれを22年間も続けて「自分はそうなりたいのになれない人間」と信じ込んでしまったようです。信じ込めは、無意識のうちに自分が同じ結果を用意するので、同じような体験がくり返されます。

 あなたはaでもbでもなく"唯一"の人。あえていうなら、aのハートとbの外見を持ったステキな女性です。それを自分と認めたら、もっとラクになると思います。あなたの壁は、「思春期に劣等感から逃れるために固執した"自己イメージ"を超えられない」という心の壁だから。

 もう人間をふたつに分けて見るのはやめましょう。いろんな要素を秘めた唯一の自分を認めれば、それは同時に、相手の多面性や魅力も受け入れる態度が生まれてきます。その方がはるかに楽しい触れ合いができますよ。

 これから、自分と気の合う"abさん"を見つけて仲良くなれば最高だと思いませんか?それには、まずaさんを否定しないで心から受け入れること。そこでもすばらしい友人を見つけるつもりで、素直に人間的な触れ合いを楽しみましょう。

 またbになろうとして、なにもかもbさんに合わせようとするのもやめることです。あなたが外見だけで人の価値を判断しなければ、bさんだからと緊張することもなくなって"abさん"の存在に気づくと思います。本来の自分に目覚め、心の壁も垣根も取りのぞいてもっと大らかになってください。

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Last Updated: 2006/03/17

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