いいえ、決してそんなことはありませんよ。あなたと同様の不安を持つ人たちの声が、このコーナーにも寄せられています。そこで今回は、心の病を抱える人たちに向けてメッセージを届けたいと思います。
心は、体と同じように大切な自分の一部です。病気と感じたら、まず専門家の治療を受けることをお勧めします。大量出血すれば応急処置が必要なように、苦しい精神状態を和らげて進行を止めてくれるからです。
問題はそのあとです。体の傷は処置がよくて薬が効けば、あなたがなにを思っても治っていきますが、心の傷は薬を飲んでも本人がなにを思うかで、治るか長引くかが決まってしまいます。あなたの胸のうちがとても重要なんですね。
最初に、心の病になった自分を責めるのをやめましょう。あなたの身に起こったことは、あなたの魂が選んだことだから。その体験を乗り越えて「なにかを自覚すること」が、生まれてきてどうしても知りたいことだったからです。それを探しましょう。
自分を責める代わりに、自分に「こんな大変な体験を選んで、よくここまで耐えたね。これからはもっと自分に愛を注ぐからね。私はかならず治るからだいじょうぶ!」といい聞かせてください。
あなたの思いが人生を創っていきます。だれもが「治りたい」と口にするけど、それでは「治りたがってるあなた」が続くだけです。もう無意識に任せておかないで、「私はこれから私を治す。私は治る!」と固く信じることです。
不安や怒りがわいても、心の負担にしないように無視して取り合わないこと。"わいてきた不安の続きを、決してあれこれ考えない努力"をしましょう。不安や怒りが浮かんだら、「やーめた」と声に出して中断するんです。また浮かんだらまた中断する、それを根気よくくり返します。ここが"意志力"の発揮しどころですよ。
もし今、あなたの手の平に傷ついた小鳥が乗ったら、両手でそっと包んでやさしい言葉をかけるでしょう?小鳥を見守るようなまなざしで、自分のことを応援しましょう。なにもあせることはありません。自分を癒せば、自然に行動する元気が出てくるから。
「〜しなくちゃいけない」という発想を捨てて、「今日はちょっと冒険しよう」と微笑んで出かける気持ちが大切なんです。あなたの好きなことから冒険して、「楽しかったぁ」と感じる時間を少しずつ増やして、行動範囲を広げていきましょう。
社会的にはつらい思いをしても、あなたは今ものすごく大事なことを"実感"しているはず。それは「ふつうに暮らせることの幸せ」と「心が平安なことの喜び」です。その気づきは、換えがたい心の財産だと思います。
それを知らずに、不満と苛立ちの中で「まだ足りない」「あいつが気に入らん」と思いながら生きている人たちが大勢います。平安な気持ちでふつうに暮らせることが、どんなにありがたく幸せなことか…これからあなたはそれを目指し、再びそれを手に入れて、今度はそれに感謝して生きていくんです。
さあ、まだ戸惑ってる自分の一番の応援者になりましょう。自分のことを追い立てないで、やさしい言葉をたっぷりかけて愛をあげてください。