第五話「意識」   第六話「文字が語る宇宙の真理」  


 

第六話

 

文字が語る宇宙の真理

 

 文字を分ければ真理が見えてくる、と小田野早秧は教えています。音にパワーがあり、

意味もあるということは古今東西の様々な覚者が主張してきたことですが、文字(主とし

て漢字)を分けるということに関してはおそらく小田野早秧が体系的に研究した最初の人

でしょう。いずれにしても西洋で漢字は使われていませんから字分けは出来ません。今月

は字分けについてお話しましょう。

カルキ・バガヴァンは「この世に生を受け、生活するということは体験すること。体験

は本来全て喜びなのです」と言っています。また、生物は体験を喜びと感じるようにプロ

グラミングされているとも言っています。「悦」という字があります。心がほぐれて楽しい、

非常に喜ばしいという意味を表す字です。分けると「忄(リッシンベン)」と「兌」となり

ます。忄は活動している心という意味です。つまり、何かを体験している状態です。兌に

は単体でも悦びという意味がありますが、他に貫いて通っているという意味もあります。

つまりどこまでも果てしなくある状態が続いているという意味だとも言えます。言い換え

れば普遍的ということです。体験することは普遍的に悦びであるとなります。

 これに対し「悲」という字があります。分けると「心」と「非」となります。非は

「〜ではない」という否定を意味します。つまり心ではないと打ち消していることになり

ます。心に感じるはずの悲しみが心ではないのならば、本来は無いものなのだという意味

になります。悦の意味を逆から裏付けるという意味で整合性がとれていますね。

 凶という字があります。災い、障害、不都合など起きては困る事件のことです。メと同

音に目、芽、命という字がありますが、光透波学では命の芽を育んで成長していくために

は目を使って食物を捕らえたり、採集したり、危険から逃れたりして生きていかなければ

ならないということで、同じ音が使われている一貫した意味を表していると取ります(こ

れはあくまでもひとつの捉えかたで、他の見方がないというわけではありません)。ともか

く、このメという字が囲まれてしまっています。どこにも行き場が無い困った状態なので

すが、一つだけ開いている方向があります。上です。本当に困った時に頼りになるのは上

だけ、つまり天だけという字だとも解せます。もうお手上げで自分ではどうしようもない

ので、天にお任せしますと、委ねるしかないという意味に取れるということです。

 このように文字を分けることで姿を現す新たな意味を見た時の自分の反応を観察して見

てください。今までこうであるに違いないと思っていた固定観念、つまり概念が壊れてい

ませんか。概念を壊すのが字分けの意義のひとつなのです。